ミツバチと共に90年――

信州須坂 鈴木養蜂場

はちみつ家

Suzuki Bee Keeping

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はちぶんのブログ ※鈴木養蜂場で言う『蜂蜜』とはいわゆる『本物の蜂蜜』です。

検証!スズメバチの焼酎漬けは肩こりに効くか? 2015/09/07(月)

昔から焼酎の中に生きたままのスズメバチを入れて焼酎漬けを作りますが、果たしてそれは何に効くのでしょうか?

よく言われるのは、塗れば打ち身や捻挫、あるいは虫刺されとか肩こりにも良く、飲めば血流を良くするそうです。
また、ある研究では、スズメバチの毒の中には心臓の不整脈症に効く物質が含まれていることが分かったといいますが、論より証拠、果たして本当かどうか試してみることにしました。

とはいっても身近に打ち身や捻挫をしている人がいませんでしたので、肩こりが治るか検証してみることにしました。
毎日PCとにらめっこをしているはちぶんは、慢性の肩こりなのだ!

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写真の雀蜂焼酎漬けは5年もの、ティッシュに沁みこませて首筋から肩にかけて塗ってみました。

と。。。。

シップを貼った時のような爽快感はありませんが、数分経つとなんだか少し肩が楽になったように感じました。

効いたのか効かなかったのかよく判りませんが(笑)、毎日塗れば効果がわかるのではないかと思います。

これからも思い出したら塗ってみよう。。。っと。

 

スズメバチの子の甘露煮を作る!? 2015/09/04(金)

スズメバチの蜂の子レシピ第2弾!
今日は甘露煮をご紹介します。

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【材料】
スズメバチの蜂の子:100g
はちみつ:大さじ1
醤油:大さじ1
お酒:大さじ1
サラダ油:適当

【作り方】
1.フライパンにサラダ油を引き、中火でスズメバチの蜂の子を入れ炒める。

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2.焦げ目がついてきたらお酒、醤油、蜂蜜を入れ、ひと煮立ちしたらできあがり。

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えっ?
まだ作る気しないって??(笑)

 

グロすぎ~!これがスズメバチの蜂の子だ! 2015/08/07(金)

当場は基本的に生け捕りですが、先日スズメバチの蜂の子を動画で撮ってみました!
虫が苦手な人は見ないでネ!



なんともグロテスクな光景です。

後半、カリカリ、カリカリ音がしているのは、蜂の子が巣の壁をかじってエサをおねだりしているのだそうです。
中にはエサをもらえず餓死してしまう子もいます。
その子は巣の外に捨てられ、その穴には女王蜂が新しい卵を産みます。

エサを与えられた幼虫は、エサをもらったお礼に口から透明な液体を吐き出します。
その液体は成虫が食べます。
実はその液体がアミノ酸で、スズメバチが何キロも先まで飛ぶ栄養源になっているのです。
まさにギブ・アンド・テイクですネ!

どこかで聞いた話ですが、あるマラソン選手は、そのスズメバチのアミノ酸のエキスをマラソンドリンクの中に入れて、優秀な成績を残したのでした。

じっと見ていると気持ちが悪いですが、蜂の子は炒めて食べるととても美味しいですヨ!

 

鈴木社長の大予言 2015/07/29(水)

今日は社長のお供でスズメ蜂の駆除のお手伝いです。
今日だけで4件、昨年は少なかったのですが、今年は例年なみのようです。

しかし今年の特徴は、天井裏や建物の中など手の届かない場所に巣営するケースが多く、このような年はある事が起こると言います。

そこで鈴木社長の大予言!

カマキリが高い場所に卵を産むとその年は大雪が降ると言われますが、スズメ蜂が駆除しにくい場所に巣営すると、その年の夏はどうなる?

社長いわく次の事が考えられるそうです。

1.台風が吹き荒れる。
2.大雨が降る。
3.低気温で夏がすぐ終わる。

さあ、どれが正解になるでしょう?

 

日テレのzipで、はちぶんが撮ったみつばちが。。。!! 2015/06/03(水)

たった今、日本テレビの「zip」でハチミツの特集が放送されました。

取材を受けていたのは別の養蜂場でしたが、
あの中で一瞬映ったアカシア蜜を集めるミツバチの映像は、な、なんとはちぶんが先日撮ったものなのだ!(笑)
「長野県鈴木養蜂場」のテロップも一瞬だけ移りましたが、あれでは分からん!(笑)

スタジオの後ろの方にあったテレビ画面には、何度もはちぶんが撮った映像が映っていましたが、まさかテレビに使われるとは思っていませんでした。光栄です!

いよいよ今年採れた新蜜の販売もはじまりました。
みなさん、ぜひどうぞ!

 

この花なんだろう?? 2015/05/03(日)

ゴールデンウィーク真っ最中!
みなさん、どうお過ごしですか?

はちぶんはたまの休みでごろごろしようと思ったのですが、あまり天気が良かったので家の外に出てみました。
はちぶんの家の裏には雑木林があるのですが、そこにとてもキレイな花が咲いておりました。

なにやら房状の花で、よく見るとミツバチがたくさん集まっているではありませんか!

思わず「ブログネタを見つけた!」とばかりにシャッターをパチッ!

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こんな写真が撮れました!

でもこの花、なんという名前なのでしょう?

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房状ですからトチとかクリの花かと思ったのですが、葉っぱの形状や樹皮の質感が違います。

調べてみますと桜の仲間であることが知れました。(これがサクラ???)
どうやらウワミズザクラかイヌザクラであることが分かったのです。

今年は臥龍公園のさくら祭りにも出店したのですが、結局はちぶんは行かずじまい。
「今年はゆっくり桜をながめている時間もなかった……」
と、残念に思っていたのですが、桜の王様ソメイヨシノではありませんでしたが、思わぬところで桜を見れて感激です!

でもウワミズザクラかイヌザクラか気になって、スッキリしません(笑)
と、ありました、ありました、その見分け方。。。!


(出典:花兄さん)

なるほど!
花柄に葉っぱがあるのでウワミズザクラであることが分かりました!

パチパチ写真を撮っていると、中に日本ミツバチもいることがわかりました。

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西洋も日本も、ミツバチたちは蜜を仲良く分け合っているのですね!

でも近くにきっと巣があるに違いありません!
「そいつをみつけて蜂蜜を採ってやろう!」
と、ひそかな野望を抱いたはちぶんでした。。。(笑)

 

ローヤルゼリー秘話 2015/04/02(木)

当場でローヤルゼリーを扱い始めたのは昭和30年代でした。

発売当初は30g、100g、180gの3種類でしたが、その価格を聞いてビックリ!
なんと30gが5,000円、100gが15,000円、180gが24,000円くらいだったというのです。

昔は大量生産ができなかったのでそれだけ高価なものだったのですね。

まあ、買っていくのはお金持ちだけだったそうです。
黒塗りの運転手付きの車が店舗の前に止まれば、それはローヤルゼリーを買い求めにくるお客様だったそうです。

今は1本100gで8000円くらいですから、ずいぶん値が下がりましたね。
それでもまだまだ高価です。

ローヤルゼリーは昔からのサプリの王道ですネ!
ぜひ1本いかがですか?(笑)

 

ミツバチとアルテミス 2015/03/30(月)

まずはこのギリシャ神話に出て来る女神像をご覧ください。

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これは「ナポリ国立考古学博物館」に収蔵されるアルテミス像です。

ギリシャ神話に詳しい方はご存知でしょうが、アルテミスはゼウスとレトの娘でアポロンの双子の妹、若くて美しい彼女は狩りが大好きで、山野を駆けまわって弓矢でシカを追う狩猟の女神です。
ところがその矢は、ときに産褥の女性に苦痛のない死をもたらすといいます。

そしてアルテミスは執念深い一面も持ち、母のレトを侮辱したニオベの娘たちを次々殺し、また母に暴行しようとしたティティオスを弓矢で射殺してしまいました。
更に、水浴中の彼女の裸身を見たアクタイオンは、鹿にさせられ猟犬に咋殺されたという話もあります。

そんな男嫌いでちょっと怖いアルテミスですが、実は少女を愛する純潔の女神であり、豊穣多産を象徴する神でもあるのです。

写真で気になるのがウエスト部に重なっているいくつもコブです。

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これは女神の乳房であるとも言われますが、一説には卵とか女王蜂に群がる蜜蜂ではないかとも言われます。
なるほど、蜂の巣から頭を出す蜂の子にも見えますし、王台の中のローヤルゼリーだといえばそうも見えます。
いずれにせよ1日に数千個のタマゴを生む女王蜂を連想しても不思議ではありません。

それに胸のネックレスの形はドングリにも見えますが、よく見ると羽をひろげたミツバチにも見えるではありませんか!

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そして極め付けがスカートの裾にある足元近くの模様、これは間違いなくミツバチです!

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後にアルテミスは月の女神になっていきますが、もともとはミツバチと非常に関係が深いことがいえます。

古代の七不思議にも数えられていたトルコの「エフェソスのアルテミス神殿」は、紀元前に栄えたまさに彼女が主役の場所だったわけですが、いつか1度は行ってみたいものですね~。

 

いよいよ新看板設置です! 2015/03/21(土)

昨日、新しい看板ができあがってきました!

大工さんに来ていただき、いよいよ店舗の屋根に設置です!

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お店らしくなりましたね~(笑)
夜はライトで照らします。

千客万来すればいいナア~~!

 

教草・第24「蜂蜜一覧」で紹介されている和蜂の養蜂(4) 2015/03/20(金)

そのようにして採れた蜂蜜の特徴です。

「また山間に養うものは、村里のものにこれをば量重くして、色もまた濃く、冬月は凝固す。」

野生のものと比較していますね。
やはり昔も野生のものの方が珍重されていたようですね。
また冬は凝固とは結晶する性質があると言っています。
本物の蜂蜜は昔も今も結晶しやすいのですね。

「さてその渣滓(さし)は、布の袋に入れて図の如く搾木す。

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搾るときは、再び蜜を得るといえども、その蜜には蜂子や蜂巣等が混ざれば下品とて、これを「シボリミツ」という。
夏月に至りて酸味を生ず。」

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蜜を搾った後の残りかすから、更に蜜を搾ろうというのです。
しかしそこには蜂の子や蜜ろうが混じってしまうので品質は低いと言っていますね。

しかし実際は、蜂の子の栄養素やローヤルゼリーやブロポリスも混じっていると考えられ、栄養素的にはかなり高いのではないでしょうか?
でも、夏になると酸味を生じるって?それって腐っているということやん!(笑)

搾りカスからなお搾り採った「シボリミツ」。
商品化できるかしらん?(笑)

まだまだ終わりません。
ここからが蜜ろうを作る作業になります。

「全く蜜を搾り取るころ、渣滓(さし)は再び布の袋に入れ、枠に繋ぎ、釜中に沈ませば湯の沸騰に従い、蝋分溶解して浮かぶを汲み取り、別の樽に冷定して後、鍋に入れて煮て溶解し、型に入れ凝固せしむ。
これを黄蝋という。」

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やり方はおよそ当場と同じで、巣のカスをお湯で溶かして蜜ろうを採ります。
当場ではここまでしかやりませんが、実は更に白蝋というのがあって、その作り方まで書いてあることに驚きました!

「また、これを白蝋となすには、釜に入れ適宜の水を加え煮て溶解せしめ、板にて汲み出し竹箸にて撹擾しつつ、水桶の中に淋瀝(りんれき)、その時は片々小さな塊となる。
これを筵の上に移し日光にさらし、乾かし、転廻両三度なせば白蝋となるなり。
もし日光甚だ強ければ、時々水を吹きかけ、その溶解するを防ぐなり。
また雲州にては、石灰百匆を藁にて焚き、この灰を共に水7合を混ぜて布袋にてろ過して、この灰汁は黄蝋5斤を晒すべし。
この割をもって黄蝋と共に釜に入れ、湯を加え煮て溶解せしめ、桶に移し、暫し沈静せししこの後、水桶中に瀝し、箸にて撹擾をせば凝固す。
これを晒し箱に広げ、日光に乾を斬るの如く3、4度晒すなきは、清潔なる白蝋を得るなり。」

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なるほど、なるほど、、、
今度時間があったらやってみよう!(笑)

そしていよいよ最後のまとめ部分になります。

「蜂蜜は安芸、周防、長門、日向、薩摩、筑前、石見、出雲、伊勢、紀伊、信濃、佐渡等、その他多し西南諸州より産出す。」

信濃も入っています。。。(V)

「その蜂を蓄養するの法に至っては、大抵相同じく、ただ踪蜜あるもの今出雲国吉村耨一郎、紀伊国菊池喜太郎の記すによりて、諸書に論説するものを参考してその概容を誌す。」

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これで終わりです。
「教草 第24 蜂蜜一覧」、意外と面白かったです!(笑)

追記
原文は変体仮名および古い言い回しにて書かれているため、読み下せなかった部分は我流にて読んでいますので、間違いがあったらゴメンナサイ!

 

教草・第24「蜂蜜一覧」で紹介されている和蜂の養蜂(3) 2015/03/13(金)

さて、ここからは蜜蜂の活動の様子が描かれます。

「この蜂、春の彼岸より10月中旬までの間、樹脂と蝋分あるものを多く採り来たり。」

春の彼岸ですから3月20日ころから10月中旬、太陽暦では11月中旬までの間ですね。
樹脂というのはひょっとしてプロポリスのことですかね?
そして蝋分ですから巣の材料になる蜜ろうを多く集めると言っていますね。

「淡黄色の蜜蜂は、その形が黄蜂に似て小さく、長さようやく3、4分、全身微黄色毛茸ありて背の淡黒羽の灰白色なり。」

1分をおよそ3ミリとすると、3、4分といえば11ミリくらいの大きさです。

「この蜂、人はイモムシといえども刺すことは少なく、もし刺したときは針がぬけて死んでしまう。」

よく分かりませんが働き蜂のことでしょうか?

「蜜蜂には野生と園生とありて、その野生の者は黄褐色にしてやや透明な房を作る。その形は扁平が少なく、両面に多くの蜜房がある。これを側面に立ち連ね、互いに軸をもって繋ぎ、あるいはその一隅を堂に接して作り、」

野生のミツバチは黄色で、巣も透明感があると言っているようです。
確かに和蜂の駆除に行って見た野生のミツバチの巣は、白くて透明感があり、形もダイナミックできれいだったような気がします!

「小窠ごとに卵を着け、花の蜜を採り来たりて蜂子に食餌をやり、上に白膜を覆い、また冬月の糧にするために別の巣に多くの蜜を貯える。」

ここは小窠の様子ですね。
小窠とはひとつひとつの小さな穴、つまり蜜房のことですね。
空いている蜜房には卵が産み付けられ、成長中の子には花粉や蜂蜜が与えられます。そしてその他の蜜房には蜂蜜が貯えられていき、冬期の食糧になります。
白膜というのはおそらく蜜蓋のことで、そこに溜まっている蜂蜜こそ、完熟蜂蜜なのでしょう!

食べた~い!!(笑)

そして巣箱の観察が始まります。

「蜜堂に出入り口の外に4、5匹看守する蜂ありて、出入りを検査し、他のものの入るを禁ずる。かつ空手にし、帰る蜂は敢て中に入るを許さず。その怠りを責るに似てり。」

巣箱の入り口に門番がいるというのです!
しかも出入りするミツバチをくまなく監視し、もし蜜も花粉も持ち帰ってこない者を見つけたら、
「なにをしておる!もう一度行って来い!」
と怠りを見逃さないといいますからスゴすぎだっ!!

次は越冬についての話になります。

「10月の末より翌2月頃まで、堂中に蟄して彼の蜜を食う。
故に蜜を切り取ること多きに過ぎるときは、動とありせば飢えに及ぶことあり。」

冬の間蜜蜂たちは、それまで蓄積していた蜂蜜を食べて過ごします。
人も同じで、今はそんなことはしませんが、昔は冬場でも蜜を切って食べていたのでしょう。
ところが切り取りすぎるとミツバチが飢え死にしてしまうと言っています。

「この時は、皿に蜜を盛って堂に入れて、その不足を補う。」

そんな時はお皿に蜂蜜を盛って不足を補ってください、という注意書きですね。(笑)

「かつ寒気も恐しきものなれば、ムシロにて堂を包みて暖所に置くなり。」

そして寒さ対策、ミツバチの巣箱は筵でくるんで温かい場所に置いてくださいという補足ですネ。

さていよいよ採蜜作業の説明に入ります。

「蜜を採るには大抵夏至の6月下旬の後、房の3分の2を切り取ってその一部は残し置くなり。」

まずは時期ですが、夏至の6月下旬以降で、採る分量は房の2/3。
全部採ってしまうと滅びてしまいますね。
そしてここには書いてありませんが、その際女王蜂を残しておかないとまずいですヨ!

「防州にては、秋の彼岸前後を適度にこれを切り、蜜堂の後面の戸を叩けば蜂みな全面に去る。
これにおいて戸を開き、小刀にて随意に切り取り箱を前に向け直し置かば、元の如く房を作る。」

防州で行われているコツが記されていますね。

「しかしながら一時に前後左右を切らぬよう注意すべし。
もし前後より一時に切り採りをば、蜂来て人の面を刺すことあり。」

欲張っていちどきに採ると蜂に刺されますよ!(笑)

「これを防ぐは図の如し。
粗布にて作りたる面をおおいその業をなすなり。」

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おおっ!養蜂具が出てきましたね!
いわゆる綿布です。

「又、手の及ばぬところは器械にて掻きだすなり。
切り採りたる房は布を敷くに、竹カゴあるいは篩(ふるい)の中に入れ、これを瓶の上におくと、日温のところに置けば蜜自ら流出して、その色黄褐にして飴の如し。」

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遠心分離機など使いません。
いわゆる古式養蜂における採蜜方法ですね。
これは当場でも行っています。

「このようにして採るものを「タレミツ」という窠上品なり。」

「窠」という漢字は現在ほとんど使われていませんが、蜂の巣を表わすもののようです。
なんとも美味しそうですね~!

 

教草・第24「蜂蜜一覧」で紹介されている和蜂の養蜂(2) 2015/03/11(水)

「一種横條すこぶる黒くして、蜜蜂とりはやや大なるものがあって、堂中に蟄居して蜜を喰らう。大抵八十八夜前より六月の末に至り、一堂に8、90もいる。これすなわち雄蜂にしてこれを「クロバチ」という。」

ここで雄蜂が出てきましたネ。
働き蜂より一回り大きくて黒いので、黒蜂と呼ばれていたようです。
「蟄居して蜜を喰らう」ですから、和蜂のオスもセイヨウミツバチのオスと同じで働きません。

「八十八夜前よりこの蜂衆蜂子まじりて箱より出入りする時期は、早近きうち分封ありと知るなり。」

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ここで分封の話が出てきました。
分封とはいわゆるミツバチの引っ越しです。
面白いのはその時期を「八十八夜前より六月の末」と言っているところです。
もちろんこれは旧暦ですので、現在の太陽暦にすれば5月の頭から7月の末にあたり、なるほどその時期はセイヨウミツバチも分封します。

続いて、

「また「アカバチ」という強そうで大きな蜂あり。しばしばやって来て蜜蜂に害を与える。注意して取り除くべし。
また褐色な淡黒斑ある蛾あり。7、8月の頃蜜の香を知って箱の中に入り蜜を食う。かつ羽を振るゆえ蜂を乱すことなり。これまた注意して取り除くべし。」

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ミツバチの天敵が出てきました。
ひとつはアカバチ、すなわちスズメバチの登場です。
「注意して取り除くべし」と言っていますが、どうやって取り除いていたのでしょう?

もう一つが「褐色な淡黒斑ある蛾」です。
図の色や形からスズメガの仲間だと思いますが、蛾も蜜を狙う天敵なのですね!

ここからいよいよ女王蜂が出てきます。

「蜜蜂の中に将軍と唱える肥大なる一匹の雌蜂あり。」

おお!女王蜂を将軍と称しましたか!女将軍だね!

「これは房の中心にいて、あえて外には出ない。ただ群蜂を指揮して巣と蜜を作る要務を指令している。」

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実際は指揮などしないで卵を産み続けているわけですが。。。(笑)

「この蜂は、大抵一房中3、4個を生み、分封するとき衆蜂3分の1はこれに従い去るゆえに、旧房の蜜は自ら減らず。
よって生長せざる前にこれを知るには、堂内に蜂の塊をなしたる半ばより、下へ霧を吹き入れ、数ばくの蜂が上面に登る時に、彼の房の下部に乳頭の如き形の巣(王台)があり、これ将軍と成るべき蜂子の住むところなれば、1個を残してその余りは切り去るべし。
もし多く分封を欲するものはあえて切り去るに及ばず。」

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なんだかすっごく詳しく書いてありますね!
なにらや王台を取り除く作業のようですが、霧を吹きかけて作業を行うなんて、昔の人はよく考えたものです!(笑)

そしていよいよ分封ですね!

「この切り残したる巣より生まれた新将軍は、大抵八十八夜の後、天気晴朗の日を選んで昼前に巣箱から出る。衆蜂はこれに従って出るが、これを分封という。」

現代の太陽暦では5月2日以降の晴天の日の昼前に分封がはじまると言っていますが、ホントかなあ?
まあ、時期的には合っていますが。

「このとき、遠くへ行ってしまわないように水をまき、蜂の羽を潤わせば、人家の軒下あるいは庭木に来て集まり、」

これはスゴイ!!
こんな知恵が江戸時代にあったんですネ!!

「ほとんど鞠(まり)の形を為すは、これにおいて新しい巣箱を持っていき、箒にて掃い落とし養えば、この中に房を作って蜜を醸して、一個の蜜堂となるなり。このようにして年々箱数を増やし養う。」

日本ミツバチは飼育がとても難しいはずなのに、いとも容易く巣箱を増やしてしまうとはっ!
恐るべし江戸人!!(笑)

 

教草・第24「蜂蜜一覧」で紹介されている和蜂の養蜂(1) 2015/03/07(土)

『教草(おしえぐさ)』ってご存知ですか?

これは彩色木版で、明治初頭に博物局から発行された書物です。
博物局というのは現在の東京国立博物館のことですね。

そこには江戸時代の日本の代表的な産物や産業を取り上げ、その製造過程を図解しています。
もともとは初等教育用の教材だったようですが、明治6年に開催されたオーストリア・ウィーン万国博覧会に出品するにあたり、全国から収集した伝統的な産業技術について、絵図資料として編集されたのでした。

中を見ますと、「稲米一覧」にはじまり「養蚕一覧」、「製茶」や「畳」、「こんにゃく」「豆腐」など、日本が世界に誇る30種の産物が取り上げられています。

その中で、24番目に紹介されているのが「蜂蜜一覧」なのです!

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そこに描かれる江戸時代の養蜂に、温故知新ではありませんが、学ぶことも沢山あります。

もっともまだ西洋式の養蜂はありませんでしたので和蜂の養蜂ですが、今日からシリーズで「教草・蜂蜜一覧」に書かれている内容をご紹介していこうと思います。

第1回は「教草・第24・蜂蜜一覧」冒頭部分です。

「深山大木の朽ち穴、または岩石の間に巣営し、獲る者稀に、その蜜を得るをあり。これも山蜜という。至って上品なりといえども、取買するに足らず。」

やはり蜂蜜は、当時から貴重な物だったのですね。

「園養のものはその初め、野生のものを捕ってきて家で養い、これより集めたるを家蜜という。通常の蜂蜜はこれなり。」

家で採取された蜂蜜を「家蜜」っていったんですね!

そして次に書かれているのは養蜂する際の巣箱についてです。

「石州では、はじめ山中の大樹に巣を営しても「ラッポ」といって、藁など丸く編んだ物に砂糖など入れ、その処に釣り置けば役蜂この中に集まり、持ち帰って家の外に養う。」

石州とは島根県のあたりでしょうか?
「働きバチ」を「役蜂」とはなかなかの言い回しですね。
それにしても砂糖でミツバチをおびき寄せたのですね!(笑)

「紀州にて養う箱は図の如し。杉の四方板のその外部は削って、内部は挽きさいたままのものにて製し、その前後を揚戸にて戸の下に蜂の出入する小穴を穿ち、底板は前後1寸ほど縁を出し、蜂の棲み止まるる便を。」

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紀州は和歌山県のあたりでしょうか。
丁寧に巣箱の作り方まで書いています。

「雲州にては同大の箱をいくつも作っておき、蜂の巣(房)のかさにも従い、これを重ね置き、これを継箱という。また風雨の内に入るを防ぐために前は低く後ろは高い4柱の台を作り、その上に箱を据え置く。あるいはまた台を用いて人家の軒下や樹陰などに釣って養う。」

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雲州は出雲の別称ですので島根県でしょう。山陰地方は養蜂が盛んだったんですね!
西洋式養蜂でも巣箱を重ねますが、このときすでに「継箱」というのがあったんですね!

「野州にては樽をムシロにて巻き軒下へ横につり、その内に養う。」

野州は下野のことですから栃木県のあたりでしょう。
日本の地方地方によって、いろいろな養蜂の仕方があったのですね!

な、なんか知らないことばかりで感動で~す!!

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「蜂の種類に至っては、各地同じではない。今、その1、2を挙げる。信州木曽の産は全身灰黄色なり。これを「ヘボ」という。また黄斑紋の物あり、「トラバチ」という。」

信州が出てきました!木曽ですが。。。
蜂の子をヘボと呼ぶのはここから来ているのですね!

「薩摩の産は性質が至って温和。同州日置郡の産は茶褐色にして大きさ3、4分なり。」

今度は薩摩です。九州鹿児島のミツバチは温和なんですね!
地域によってミツバチの性格も違うなんて。。。

「雲州の産は形状は薩摩産のものと同じで性質は温和にして人に親しむ。これを「キンバチ」という。また雲州には「ヤマミツバチ」「クマミツバチ」の二種あり。性質は鋭にして養い難し。」

また雲州が出てきましたね。
金蜂なんてどんなミツバチかしらん?
それに山ミツバチに熊ミツバチと、みな聞き慣れない名前ですが、「鋭にして養い難し」ですからアシナガバチとかクマバチの類ではないでしょうか?

 

ミツバチのためにれんげ畑を復活させろ!ミツバチ応援プロジェクト 2015/02/26(木)

今年は、須坂市の井上地区に、6年間休遊地となっていた田んぼを借りて、半年をかけて5回~6回耕し、9月にはレンゲの種まきをする予定です。

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敷地の広さは約30アール。
地元の農家さんのご協力を得て、いよいよ本年度の須坂にレンゲを咲かせるプロジェクトの始まりです!

1回目の耕しはまだ未定ですが、草が生えてきた頃を考えています。

種まきは秋ですが、来年にはレンゲが咲き、そこで採蜜をする予定です。
正面の山には桜がありますから、春は花々が咲き香る美しい光景を拝めるかもしれません!!(笑)

レンゲの花を咲かすミツバチ応援プロジェクトは、随時ご紹介していきますね!

 

フレ~、フレ~ッ!~みつばち応援団発足! 2015/02/18(水)

鈴木養蜂場では数年前から休耕田等を利用して、レンゲの花を増やそうという活動をしております。

国産のレンゲ蜜は年々減っており、確保するには昔のようにレンゲ畑を復活させていくほかありません。

近郊で休耕田を持っている方の協力を得つつ、50名ほどのメンバーが集まったまでは良かったのですが、昨年は種をまいても発芽までいかなかった場所も多く、レンゲの蜜源増殖といってもなかなか難しいことを実感しております。

そこでこのたび、この根気のいる活動を「みつばち応援団」と銘打ちました!

売り上げの1部をレンゲ蜜源増殖に使わせていただくことを明確にして活動をしていこうということになりました。

とりあえずミスはちみつクイーンにご応募いただいた中で、ミツバチのコスプレをしていただいた方のお写真でPRをしようと、はちみつ.netのトップページに使わせていただくことを思いつきました。

長い道のりになると思いますが、昔ながらの風景が生まれることを願いながら、地道に続けていこうと思います。
応援、よろしくお願いいたします!

 

りんご、栗、蕎麦、レモン、ひまわり、ブルーベリー~いろんな蜂蜜食べ比べ 2015/02/13(金)

当場ではアカシア蜂蜜を中心に扱っていますが、その他にもいろいろな蜂蜜があります。
そこでちょっと珍しい蜂蜜を食べ比べてみましょう。

●リンゴ蜜
まずは信州須坂で採れるリンゴ蜂蜜です。
当場在する須坂市は果樹栽培が非常に盛んです。
特にリンゴの花から採れる蜂蜜は、豊かな香りと濃厚な甘味があり、その割にすっきりとしたフルーティーさが特徴です。

●栗蜜
次に須坂市の隣、栗の町として有名な小布施町の栗の花から採れる栗蜂蜜です。
これは栗独特のコクがあり、ほのかに栗の風味が楽しめます。
栗がお好きな方にはたまりませんね!

●そば蜜
そして須坂市に隣接する高山村の蕎麦の花から採れる蕎麦蜂蜜。
これは色がとても黒く、栄養価が非常に高い蜂蜜です。
独特な味わいで鉄分が多く、血圧調整機能があるので特に女性におすすめですね。

この辺では採れない、海外から取り寄せている珍しい蜂蜜もあります。

●レモン蜜
スペイン産のレモン蜂蜜は、柑橘系特有の香りと酸味が特徴です。
紅茶などに砂糖代わりに適量混ぜて飲めば、レモンを浮かべるよりも味わい深い独特な味・風味を楽しむことができますね。

●ひまわり蜜
次にフランス産のひまわり蜂蜜です。
フランスではヒマワリ蜜を太陽の蜜と呼んでいるそうで、花粉が多くこってりした濃厚な味が特徴です。
ほどいい酸味と蜂蜜本来の甘さがマッチングしています。

●ブルーベリー蜜
最後はカナダ産のブルーベリー蜂蜜。
ブルーベリーの花から採れる蜂蜜は、個性の強い香りのほどよい甘さが特徴です。
アメリカやカナダではとてもポピュラーですが、日本ではあまりなじみがありませんね。

この時期、いろいろな珍しい蜂蜜を食べ比べてみるのもいいかもしれません。

 

ミツバチで受粉交配したイチゴの形~イチゴ畑のミツバチたち 2015/02/10(火)

越冬先の千葉県の地主、イチゴ農家に受粉のためにミツバチを入れました。
イチゴは手で受粉することができず、すべてがミツバチ任せなのです。

ファイル 687-1.jpg

お店の店頭に並ぶイチゴはどれも素晴らしい形をしていますね!
でも実際はお店に並ばない奇形のイチゴもけっこうあるはずです。
そうした変な形のイチゴは、ジャムなどの加工用になるそうですが、実は!!!

奇形のイチゴはミツバチ以外の昆虫によって受粉されたイチゴなのです。

ミツバチは花の中に頭をつっこみ、かき混ぜるようにして蜜や花粉をとるため、まんべんなくきれいに受粉できるのだそうです。
その結果、形の良いイチゴができるのだ!

イチゴは花が咲き実になり赤く色づくまでおよそ2か月近くかかるとのこと。

ファイル 687-2.jpg

それにしても、ミツバチの意外な能力にびっくりですネ!

 

受験生の皆さんガンバレ!ハチミツ食べて! 2015/02/06(金)

受験シーズンですね。
受験生の皆さん、実力が出し切れるよう頑張ってくださいネ!

そこで今日は人間の脳の話です。

アインシュタインのようにどんなに頭の良い人でも、脳の重さは体重全体の約2%くらいといわれています。
ところが、この脳で使われるエネルギーは、体全体での基礎代謝量の20%も占めるほどの高燃費なんですって。
つまり1日の基礎代謝量が1500kcalとすれば、脳だけで300kcalを消費する計算です。

しかも脳はブドウ糖しか消費しませんので、更に効率が悪い器官ということになります。

人は何もしていない時でもエネルギーを消費していますから、動いたり、病原菌と戦ったり、更にストレスを抑制したりする際には、大量のエネルギーが必要となります。
ですので頭を使う受験生などは、疲れて当然なんです。

ガンバレ~っ!!

そこで重要なのが、“いかにエネルギーを効率よく摂取するか”ということです。

その点、蜂蜜は成分の80%が糖分で、しかもそのほとんどが「ブドウ糖」と「果糖」で、更に「単糖」ときていますので、非常に即効性がありかつ吸収性が高い食品といえます。
受験生にはもってこいの栄養補給剤ともいえますね!

どうか受験生の皆さん、蜂蜜を補給して厳しい試練に打ち勝ってくださいネ!

 

かりんはちみつとプロポリスの最強コンビ! 2015/02/02(月)

寒い日が続きます。
長野の北信地方は冷たい北風が吹き、夜、外に出るとほっぺが凍り付いてしまいます!(笑)
一年で一番寒い季節なので仕方がありませんが、どうか風邪などひかないよう気を付けてくださいネ!

そうそうこの時期の定番といえば「かりんはちみつ」です。
熱いお湯にかりんはちみつを入れて飲めば体が温まります。
のどにもいいので風邪の予防にもなりますね。

そこで思いついたのが先月ブログで扱ったプロポリス。
かりんはちみつにプロポリスを入れたら、真冬を耐える最強コンビになるのではないでしょうか?
先月、アカシア蜜にプロポリスをまぜて飲んだ時も、とても美味しくいただけました。
そこにカリンの効能も加わるわけですからいいに決まってます!

様々な知恵を出して、ともどもこの冬を乗り越えましょうネ!

それにしても春が待ち遠しい。。。

 

プロポリスを飲み続けているよ! 2015/01/28(水)

実は社長とはちぶんは、この1月に入ってからプロポリスを飲み続けています。

最初、2、3滴からはじめ、今では1日に3、4回、味に慣れてからは1回に5滴からスポイト1回分の量を摂取しています。
※容器がスポイト式になっています。

社長はコーヒー、緑茶、ジュース、焼酎などに入れ、手当り次第の飲料に入れて飲んでいます。
はちぶんの方は最初直接口にたらしていましたが、最近は水に入れて飲みます。
味にはすっかりなれました。

そのおかげかどうかはわかりませんが、風邪やインフルエンザにかかることもなく、気分もすぐれ、寒いのに体が非常によく動きます。
社長の仕事もはかどり、怒ることも少なくなりました!(笑)

社長は以前、粒上のプロポリスを飲んでいたそうですが、そのときも体の調子が良かったそうです。

気持ちの中では今年は風邪など絶対にひかない気になってます!
これも相乗効果でしょうか?

プロポリスが目にいいとは聞いたことがありませんが、はちぶんは本の文字が少し読みやすくなった気がします。

1か月くらではあまり劇的な効果は感じにくいですが、やはり飲み続けることが大事でしょうね!

 

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