まずはこのギリシャ神話に出て来る女神像をご覧ください。
これは「ナポリ国立考古学博物館」に収蔵されるアルテミス像です。
ギリシャ神話に詳しい方はご存知でしょうが、アルテミスはゼウスとレトの娘でアポロンの双子の妹、若くて美しい彼女は狩りが大好きで、山野を駆けまわって弓矢でシカを追う狩猟の女神です。
ところがその矢は、ときに産褥の女性に苦痛のない死をもたらすといいます。
そしてアルテミスは執念深い一面も持ち、母のレトを侮辱したニオベの娘たちを次々殺し、また母に暴行しようとしたティティオスを弓矢で射殺してしまいました。
更に、水浴中の彼女の裸身を見たアクタイオンは、鹿にさせられ猟犬に咋殺されたという話もあります。
そんな男嫌いでちょっと怖いアルテミスですが、実は少女を愛する純潔の女神であり、豊穣多産を象徴する神でもあるのです。
写真で気になるのがウエスト部に重なっているいくつもコブです。
これは女神の乳房であるとも言われますが、一説には卵とか女王蜂に群がる蜜蜂ではないかとも言われます。
なるほど、蜂の巣から頭を出す蜂の子にも見えますし、王台の中のローヤルゼリーだといえばそうも見えます。
いずれにせよ1日に数千個のタマゴを生む女王蜂を連想しても不思議ではありません。
それに胸のネックレスの形はドングリにも見えますが、よく見ると羽をひろげたミツバチにも見えるではありませんか!
そして極め付けがスカートの裾にある足元近くの模様、これは間違いなくミツバチです!
後にアルテミスは月の女神になっていきますが、もともとはミツバチと非常に関係が深いことがいえます。
古代の七不思議にも数えられていたトルコの「エフェソスのアルテミス神殿」は、紀元前に栄えたまさに彼女が主役の場所だったわけですが、いつか1度は行ってみたいものですね~。