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ミツバチと共に90年――

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蜂蜜エッセイ応募作品

好きか嫌いか

藤田 知士

 

 蜂と聞くと「ドキッ!!」とする人が多いのではないだろうか。「蜂には針がある。」「針には毒がある。」「刺されると痛い。」蜂に対する印象はあまり良くない。しかし、蜂蜜と聞くとどうだろうか?「蜂蜜は甘くておいしい。」途端に印象が変わる。かく言う私も蜂に対する印象はそんな感じである。
 私が受験の時、朝には必ず蜂蜜入りの紅茶を飲んで試験に臨んだ。朝食と一緒に熱い紅茶の中にたっぷりの蜂蜜を入れて飲むことにより落ち着きとブドウ糖が脳へすぐにエネルギー供給されるエネルギー変換の速さから受験生の私は蜂蜜に大変助けられた。
 大人になっても蜂にお世話になる機会がある。私が住む静岡市のお隣、藤枝市岡部町では蜂の子を食べる風習がある。二年に一度「朝比奈大龍勢」と呼ばれるお祭りがあり各地区で作成した竹筒の花火を朝から夜まで打ち上げる。各地区ごとに特別観覧席を用意して朝から夜まで各地区の出来栄えを酒を交わしながら観ている。その際、提供されるのが蜂の子である。「暫く夜は寝られないぞ」などと親父さんの冗談を聞きながら一口食べると小さいながらも淡白な味わいと甘露煮の甘さが口に広がり酒のあてにはもってこいだ。実際、蜂の子には滋養強壮の効果があり食べた次の日には元気になる。そして、楽しみにしている食べ物がもう一つ。「はえはちめし」である。蜂の子の炊き込みご飯であるが、藤枝市岡部町ではこの呼び方をする。普段、蜂の子を炊き込みご飯にして食べる機会はない。「はえはちめし」は二年に一度しか食べられないご馳走なのである。
 蜂とは良い印象を持たれない一方で蜂蜜や蜂の子といった皆から愛される部分も持ち合わせる。好かれながらも嫌がられる蜂とは何とも不思議な生き物である。

 

(完)

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