ミツバチと共に90年――

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はちぶんのブログ ※鈴木養蜂場で言う『蜂蜜』とはいわゆる『本物の蜂蜜』です。

養蜂の神様 ギリシア神話に出て来るアリスタイオスって知ってる? 2020/07/29(水)

久し振りに「ミツバチが出て来るよもやま話」をいたしましょう。

養蜂の神様が存在することをご存じですか?
それはギリシア神話に登場するアリスタイオスという神です。

ファイル 927-1.jpg
※ルーヴル美術館所蔵『アリスタイオス像』(Wikipediaより転載)

彼はアポローンとキューレーネーの子で、神話の中では養蜂技術を発明したほか、チーズの作り方やオリーブの栽培の仕方も伝えたとされています。
当場が養蜂をできるのも、彼の存在があったから?(笑)
母キューレーネーは狩りを好み、若い頃はライオンと戦って倒すほど勇猛果敢な娘で、それが気に入ったアポローンは彼女を妻にしました。
そして二人の間に生まれたアリスタイオスは、農業を愛する青年に成長し、ミツバチの飼育の仕方をはじめ、牛乳からチーズを作ったり、またオリーブの育て方を修学して、やがて羊飼いになってアウトノエーという女神と結婚します。
ある時アリスタイオスは、
「ケオス島に行きなさい」
との父アポローンの神託を受け島に向かいます。
ところが島に着くと、そこでは疫病が蔓延していました。

神話の時代から疫病は人々を苦しめていたのですね。。。

原因を調べているうちに、島の人たちがイーカリオスを殺害した者をかくまっていることが分かってきました。
イーカリオスというのはワインの醸造法を発明した神で、まだ“酔う”ということを知らなかった人たちが、彼に勧められて「毒を飲まされた!」と勘違いして殺してしまったのでした。
それを知ったアリスタイオスは巨大な祭壇を作り、ゼウスに生け贄を捧げて罪人たちを罰しました。
すると最高神ゼウスは、これに応えて疫病を終息させ、アリスタイオスはケオス島の英雄になりました。
次にテムペーという地に移ったアリスタイオスは、そこで養蜂を始めましたが、このとき事件は起こります。
飼っていたミツバチが病気で全滅してしまったのです。

当場でもたびたび原因不明のミツバチ全滅の事態を経験しますが、神代の昔からあったのですね!

途方に暮れたアリスタイオスは母キューレーネーに相談すると、
「プローテウスを縛り上げてミツバチの病気の理由を聞き出すがよい」
と教えてくれました。
プローテウスというのは海の老神で、予言能力を持っているのですが、その能力を使うのを好まず、話を聞き出すには彼を無理やりにでも捕まえなければなりませんでした。
母が“縛り上げて”という言葉を使ったのは、彼女が気性の強い狩りの女神だったこともあるでしょうが、プローテウスに対する敵対する感情もあったのでしょうか。
プローテウスは変幻自在の能力も持っていて、彼を捕まえるのは至難の技なのです。
綿密な作戦を立てたアリスタイオスは、洞窟で昼寝をしてるプローテウスをいきなり襲い、格闘の末ようやく捕まえることに成功します。

プローテウスはこう教えます。

「お前はかつてエウリュディケーに恋をしていただろう?
あのとき彼女は結婚したばかりで、お前に追い回されてひどく困っていた。
そしてお前から逃れようとした途中に蛇に噛まれて死んだのだ。
お前のミツバチが死んだのは、その恨みが原因である」
これを聞いたアリスタイオスは、恨みを鎮めるために牛の生け贄を捧げます。
すると、牛の死体からミツバチの一群が現れ、アリスタイオスは再び養蜂を始めることができたということです。
なんとも分かったような分からないような妙な物語ですが、原因不明の事象を怨みのせいにしたり、存在不明のものに救いを求めたり、人の英知の無力さを思う今日この頃です(笑)

 

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