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ミツバチと共に90年――

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蜂蜜エッセイ応募作品

ミツバチでも強い

日ノ丸

 

 寒さもなくなり、段 々暖かくなってきた春先。
 公園の隅に咲く、綺麗な花 々に集る幾つもの小さな点があった。
 気になって近づいて見れば、生まれてから無休で働き続けると言われたミツバチの姿があった。
 そこに居るミツバチは一匹だけでなく、五匹はいた。それぞれ蜜を採取するために、花から花へと飛び回る。
 俺を見ている内に「いつまで、蜜を蓄えるつもりだ?」と言う疑問が生まれる。あんなに小さな体だ。蜜を吸っては、また次の花へと飛んでいく。それが何十、何百と続いて、ようやく花から花へと移るのをやめて、どこかへと飛び去って行くのだった。
 「巣へと帰ったのだろうか?」と思うと同時に、時間を忘れてミツバチに気を取られすぎていたことに気付いた。その時既に、日が沈みかけ、西の空が紅に染まっていた。
 ミツバチをずっと見続けていたお陰で少し疲れたようだった。その為、その日は黙って帰路につくことにした。
 
 翌日の日曜。
 日中から家の中で、暇を持て余していると、母さんに「掃除をするから、外で遊んでいらっしゃい」と言われ仕方なく外に出る。
 何をしようかと考えながら適当に歩いていると、いつの間にかに昨日ミツバチを眺めていた公園の前だった。
 気になって、ミツバチが集っていた花 々のところまで歩いて行く。
 ――またいるよ。
 思わずそんな言葉が頭に浮かぶ。
 花 々の近くには、今日もミツバチ姿があった。しかし、今日たった一匹になっている。
 ――昨日の、蜂だろうか?
 だがその一匹も、もういっぱい、とばかりに巣があるのであろう方向へと飛んで行った。
 ――今日は切り上げが早いな。
 そう思うが否や、その蜂が消えていった先から、再び蜂が姿を現し、蜜を吸い始める。
 ――またかよ!! 小さいんだから少しは休め!
 そう心の中で叫びながら、そのミツバチを檻に閉じ込めるように両手で覆った。
 しかし、休んではくれなかった……。その針が――。

 

(完)

 

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