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あおぞら

 

 「はちみつなんて家にありません」と強い口調で言ってしまってから、あっ、しまったと後悔した。39歳、女性、独身、一人暮らしの私にとって、はちみつはすこしハードルが高い食べ物だ。なくても困らない。何に入れるのかよくわからない。買っても使いきれない気がして、私ははちみつを買ったことがなかった。職場のパートさんたちの家にはどうやら当たり前のようにはちみつがあるらしい。のどの調子が良くないと言った私に、丁寧に大根のはちみつ漬けの作り方を教えてくれた。皆、口 々に自分流のレシピを説明してくれる。私は、なんだかイライラして「はちみつなんてない」と言ってしまったのだ。帰りに寄ったスーパーではちみつを目にした途端、昼間のできごとが思い出された。罪滅ぼしのような気持ちで私は一番小さなはちみつと半分にカットされた大根をそっと買い物かごに入れた。その夜、さっそく大根をさいの目に切って、はちみつに漬けてみた。明日の朝のお楽しみ、少しわくわくしながら冷蔵庫にしまった。そして翌朝。大根から出た水分で、はちみつがほどよくとろりとしている。スプーンですくって飲んでみると、のどが楽になる気がした。なによりはちみつの優しい甘みに癒された。会社に行ったら、作り方を教えてくれたパートさんたちにお礼を言わなくては、と思った。それ以来、はちみつは「家にあるもの」になった。パートさんから、大根のはちみつ漬け以外の使い方も教えてもらった。私にとって、はちみつは暮らしを少し豊かにしてくれるもの。金色のはちみつがゆっくり、とろりと落ちていく。それを眺めていると、心が穏やかになるのだ。

 

(完)

 

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