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蜂蜜の教え

ゆったん

 

 大学3年の夏休み、インターンシップで蜂蜜の会社に2週間通った。アルバイトもしたことがなかったため、私にとって「働く」ことは完全な未知の世界だった。しかし、事前にインターンシップ中は品質管理の仕事をすることは分かっており、大学ではほぼ毎日実験をしていたため、なんとかなるだろう、という思いもあった。
 その淡い期待と自信は、初日にして粉 々に打ち砕かれた。ねっとりとした蜂蜜を扱うのに悪戦苦闘し、指導でついてくれた社員の方の足を引っ張り続け、少しも役に立てなかった。その夜は一睡もできずに、次の日に出かけるのが怖くて仕方なかった。
 それでも朝はやってくる。思うようにならない、ねっとりとした蜂蜜を0 ・2gだけ取る作業だけで社員さんの何倍も時間をかけ、何度も泣きそうになった。
 「大丈夫。毎日続けていれば何でもできるようになる。途中で諦めたら何もできないまま終わっちゃうんだよ。時間がかかってもいいから頑張って。」
 社員さんはずっと辛抱強く指導し、見守ってくれた。その言葉と社員さんの温かい指導のおかげで、私は少しずつ仕事に慣れ、最終日には社員さんと同じとは言えなくても、初日の何倍も速いスピードで蜂蜜を扱えるようになった。
 あれから10年以上経ち、今は全く違う会社で研究員として働いているけれど、今でも仕事の壁に当たった時、空回りしてしまっているのではないかと思うときは蜂蜜の飴を舐める。
 「大丈夫。途中で諦めなければ、必ずできるようになる。」
 蜂蜜は働く私の背中を押す、大事なパートナーだ。今日も働くうえで一番大事な気持ちを私に教えてくれている。

 

(完)

 

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