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蜂蜜エッセイ応募作品

日常に溶け込んだやさしさ

きい

 

 蜂蜜は、私の受験を支えてくれた。
 私は蜂蜜が大好きだ。特に、蜂蜜を入れた甘い甘いハニーホットミルクを…もう愛している。夜牛乳を沸かし、チューブ型の蜂蜜を惜しげもなく使い、ハニーホットミルクを作る。熱いコップを片手ずつ持ち替えながら自分の部屋へと向かい、ふーふーと冷ましながら勉強した。大きなマグカップいっぱいに作ったそれを飲みきる頃に勉強を切り上げ、布団に入る。
 ハニーホットミルクを作ることは私の勉強前のルーティーンであり、もはや「歯を磨く」とか「お風呂に入る」くらい当たり前のことであった。
 いつの日か、チューブの蜂蜜を切らしてハニーホットミルクを作れない日があった。「えっ、蜂蜜ないじゃん!」と、しぶしぶ牛乳と砂糖だけで作ったホットミルクは、心なしかあたたかくなかった。
 私の受験を支えてくれたのは、ハニーホットミルクだけではない。コンビニなどでどこにでも売っている、マヌカハニーのど飴。風邪は喉からタイプの私には欠かせない物だった。大袈裟ではなく毎日、口に放り込んだ。センター試験当日にも持っていき、休み時間中に舐めた。
 今思い返すと机の上にマヌカハニーのど飴を置いていなかった日はないと思うし、現に今、目の前にある。
 家族は私の蜂蜜好きを知っていた。センター試験が終わり家に帰ると、「柚ハニードリンク」という少しお高い瓶タイプの飲み物をご褒美にくれたのだ。
 特別蜂蜜に思い入れがある訳では無い。特別感動したエピソードでもない。ただ、蜂蜜は、当たり前のようにいつも私のそばにあった。
 そんな、少し甘くてほっとして、時にはご褒美になるような、日常に溶け込んだやさしさの塊が、私にとっての「蜂蜜」だ。
 大学合格したよ。数か月後には一人暮らしが始まるけれど、きっと毎日ハニーホットミルクを作るよ。これからもよろしくね。

 

(完)

 

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