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ミツバチと共に90年――

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蜂蜜エッセイ応募作品

蜂蜜はパック剤

あけりん

 

 冷え込んだ冬の朝には、温かいミルクティーと、蜂蜜たっぷり塗ったトーストが、私に取って、極上の贅沢で、至福のひとときとなる。蜂蜜は、寒い冬に欠かせない必須アイテムだ。
 しかし、この大好物の蜂蜜を私は、パンではなく、顔に塗り立くっていた時がある。遡る事、40年前、義兄の実家が採取した蜂蜜を頂いた。その大切な蜂蜜を私は、パック剤にして、惜しげもなく顔に塗った。何処からの情報だったのか?全く記憶がない。確かにしっとり潤うので、味を占めた。それが、義兄に伝わり、私には、
 「蜂蜜を渡すな!」
 と、姉に言い渡した。今となっては、笑い話で、姉と会えば、よく話題に上る。
 その頃の私は、蜂蜜の貴重さを露ほども思っていなかった。今思うと、恥ずかしい限りだ。この頃は、蜂蜜が段 々取れなくなり、どんどん高価になって行くのが、寂しい。蜂蜜が、途絶えることがないように、祈っている。

 

(完)

 

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