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蜂蜜エッセイ応募作品

蜜蜂不足の国家的認識と対策(六)

渡辺 碧水

 

 【蜜蜂不足の国家的認識と対策(五)から続く】
 二、園芸産地における花粉交配用蜜蜂の利用者においては、
(一)養蜂農家や蜜蜂供給業者との連携を密にし、養蜂農家等に対して、あらかじめ必要数量の増殖を依頼すること
(二)定期的に必要数量確保の見込みについて確認し、確保が困難となった場合、早めに都道府県へ報告し、需給調整システムによる解決を図ること
(三)特に園芸施設内で蜜蜂を利用する場合には、適切な場所への巣箱の設置、給餌、施設内の温度管理等に配慮すること
等により、蜜蜂の確保と長期利用に努めること。
 三、養蜂農家においては、
(一)万が一依頼を受けた花粉交配用蜜蜂の予定数量の確保が困難なことが見込まれた場合は、供給先へのすみやかな情報伝達に努めること
(二)園芸農家における飼養管理技術向上に資する情報提供や指導 ・助言を行うこと
等により、花粉交配用蜜蜂の安定的確保に協力していただきたいこと。
 
 この通知が出された二〇〇九年七月以降、農水省は、原因と疑われる蜜蜂被害の全国調査、被害を減らすための対策の推進等の取り組みを行っており、二〇一三年八月からは、Q&A形式のウェブサイト「農薬による蜜蜂の危害を防止するための我が国の取組」を作成し、広く国民に紹介している。定期的見直しも行われ、最新確認記事は二〇一六年十一月二十二日に更新のものである。
 この記事によると、有識者会議は二回目も二〇〇九年夏に開催されたそうだが、会議記録公表の確認はできていない。
 また、二〇〇九年から花粉交配用蜜蜂の需給を都道府県間で調整するようになった結果、それ以降は花粉交配用蜜蜂の不足は一度も発生していない。当時実施された「蜜蜂の減少の原因を科学的に明らかにするための調査研究」の結果では、原因特定はできなかった。
 欧米で問題になったいわゆる「蜂群崩壊症候群(CCD)」の現象も、日本では、過去を含めて二〇一九年末現在、一例も報告されていない。
 以上、アプローチ不足だったかもしれないが、本稿の(一)で取り上げた「蜜蜂不足でハウス栽培のイチゴ生産が危機的状況に陥っている」という話題を受けた国家的認識と対策の追跡は、残念ながら実情とは乖離した(?)資料しか探せなかった。

 

(完)

 

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