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ミツバチと共に90年――

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蜂蜜エッセイ応募作品

ブルービーの巣房や蜜は何色?

渡辺 碧水

 

 飛んでいる姿は際立ち、まるでブルーダイヤが飛んでいるかのようだ。
 「めちゃめちゃ綺麗! 鮮やかな青色、蜂にしては格好良すぎる!」。
 人 々がこう叫び、魅了され、ついつい見とれてしまう程の美しい蜂が、二〇一九年八月、熊本県南阿蘇村の美術館庭園や鹿児島県鹿屋市の観光庭園などに現れて、話題を呼んだ。
 幸せを運ぶ青い蜂とされる希少の「ナミルリモンハナバチ」のこと。蜜蜂の一種だというから、その巣はきれいな色の巣房が並び、蜜も美色なのだろうか。想像がふくらむ。
 単なる空想では決してない。現に、二〇一二年秋にはフランス北東部の村で、蜜蜂が青や緑のカラフルな蜂蜜で巣房を埋め、世界的に話題になったことがある。
 身近な例では、二〇一九年三月、ブログで「蜂蜜アート」の試みが紹介されたが、赤、黄、緑の鮮やかな色の蜂蜜が登場して驚かされた。
 だが、調べてみると、想像は早 々と打ち砕かれた。どうやら、この蜂は巣自体を作らない。蜂蜜を作り貯めることもしないらしい。巣房や蜜の色の確認は夢に終わった。
 補足を少ししておこう。
 この蜂は、分類の階級では、確かに蜜蜂と同じ「ミツバチ科」に属する。花から花へと飛び回り、花蜜や花粉を餌にしており、生活型も同様に卵→幼虫→さなぎ→成虫の完全変態。姿は単発的に稀に見かけられるが、群れで行動する習性はない。
 子孫を残す方法は「労働寄生」だという。つまり、同属の他種の蜂の巣に卵を産みつけ、育児を依存し、宿主にお任せのずる賢い蜂?らしい。幼虫は巣蜂が集めてきた餌を素知らぬ顔で横取りしながら育つ。
 見方を変えれば、ユニークな生態をもつ強運な蜂と言えよう。
 性質は温厚で危険はないとのことであるが、蜂であるから針を持つ。刺されれば痛いであろうし、毒を含んでいる可能性もある。人間同様に、美色に目を奪われても、執拗に追い回し怒らせないのが賢明だ、と専門家は説く。
 珍種で極端に希少のため、不明な点が多い。今後の研究に期待したい。

 

(完)

 

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