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蜂蜜エッセイ応募作品

魔法のお裾分け

れな

 

 小学3年生、スーパーの甘くて普通のハチミツしか知らなかった私は、ある日、「おいしいはちみつ」に出会った。
 長野旅行のついでに立ち寄った長野の道の駅に並ぶ、瓶に入った黄色に輝くはちみつ。当時、このきらきらしたはちみつを瓶から掬って食べることは、おとぎ話の森に住む憧れの女の子に近づく行動のような気がした。やってみたい、そう思った。はちみつ瓶をギュッと握って父に差し出し、
 「これ買って。」
 と甘えた声で言いながら、返事も待たずに買い物かごに入れた。
 旅行ももちろん楽しかったが、旅行後食べられる、はちみつが楽しみすぎ早く帰りたいと思いながら過ごしていたことを思い出す。
 ついに旅行が終わってはちみつが食べられる時が来た。
 瓶を開けてみると、そこには見たこともないくらい艶々でとろとろなはちみつがあった。
 トーストにかけて食べてみると、口の中に花の香りとやさしい甘さが広がってとても幸せな気持ちになった。はちみつでこんなにもいい気分になれるとは思わなかった。瓶の中から匙でひと掬いしてかけるだけで幸せになれるものを作れるのは当時自分で食事を用意できなかった自分にとってはすごく特別なことだった。まるで魔法使いになったような気分だった。この感動は十年経った今でもこのように文章にできるくらいには鮮明に記憶に残っている。それから私は「おいしいはちみつ」に魅了され続けられている。そして、今日も、蜂たちが花々から運んでくれた幸せの魔法のお裾分けを美味しくいただく。

 

(完)

 

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