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ミツバチと共に90年――

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 私の嫁ぎ先の庭には、高さ3メートルにも満たない、幹が直径15センチほどの小ぶりの梅の木が生えている。
 大小とり混ぜた青い梅が10キロほど収穫できる超豊作の年もあるかと思えば、気候不順のせいで、数えるほどの実しかできず、収穫せずにそのまま枝に放置した年もあった。
 一般的に梅といえば、すぐ思いつくのは梅干しだと思うが、夫は梅干しが苦手。
 そこで梅の収穫時期になると、ホワイトリカーと氷砂糖を購入し、梅酒を作るのだが、実は我が夫、残念ながらアルコールも一切受け付けない体質。同居する姑も同様にアルコールは×。舅は糖尿病予備軍の為、専ら糖質0のビールか焼酎を飲んでいる。
 結局、できあがった梅酒は梅酒好きの知人数名の元へ嫁がせ、あとは自分でちびりちびり飲むだけで、全く作り甲斐がなかった。
 10年ほど前から、地域の養蜂活動に参加しているが、時 々、こちらでハチミツのお裾分けをいただくようになった。
 ある時、ふと思い立って、そのハチミツと我が家の梅を使って「梅のはちみつ漬け」を作ってみることにした。
 青い梅を梅酒用の赤い蓋のビンにつめ、上からハチミツを注ぐ。黄金に輝くハチミツ風呂に青梅がゆったりと浸かっているかのよう。日を追うごとに、その青梅からエキスがジワリジワリと染み出てくる。やがて、ひと月も経てば梅のシロップが飲めるようになる。
 水分がなくなってシワだらけとなった梅そのものも、カリッとした歯ごたえで非常に美味なのだが、この「梅はちみつ漬け」によって得た梅シロップを炭酸水や冷水で割ると、口当たりのよい、甘酸っぱいドリンクが気軽にできる。
 夏の酷暑でへろへろになった身体には、このドリンクがもってこい。梅のクエン酸があっという間に疲労回復してくれる。
 意外や意外、梅干し嫌いの夫がこのドリンクを気に入った様子。
 気づけば、いつしか我が家では「梅はちみつドリンク」が夏の必需品となった。

 

(完)

 

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