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ミツバチと共に90年――

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蜂蜜エッセイ応募作品

お尻とお尻の戦い

沢 畔

 

 春になると花が好きな娘と一緒にご近所の花壇巡りをするのが楽しみだ。暖かな春の空気にはいろいろな花の香りが混じっている。
 
 花の中を覗いて見ると、小さなミツバチがもぞもぞと動いている。足や体に花粉をいっぱいつけながら働く姿はなんだかほほえましい。花粉症の私は、花粉がついたミツバチを見ているだけでくしゃみが出そうになるのだが、そこはじっと我慢だ。
 
 ミツバチはスズメバチやアシナガバチなどに比べて愛らしく感じるのは私だけだろうか。大好きなハチミツを集めてくれるからという理由もあるだろうが、ふわふわの黄色いファーのような毛がミツバチを可愛らしく見せているような気がする。
 
 そんな可愛いミツバチを昨年、潰してしまった。しかも、特大の私のお尻で。スカートにミツバチがとまっていることに気付かず、ベンチに座ってしまったのだ。
 
 ミツバチはさぞかしびっくりしただろう。急にものすごい圧で体が押しつぶされたのだから。
 
 しかし、潰れる直前にきっちりお返しはしてくれた。ぷすり、とお尻の針を私のお尻に刺してから潰れていったのだ。
 
 これはまさに、お尻とお尻の戦いだ。潰れてしまったミツバチと針を刺されてお尻がかなり腫れた私。どちらが勝ったことになるのだろう。
 
 刺されて痛い思いをしたものの、今年も変わらず娘と花壇巡りをしたいと思う。きっと、花の中のミツバチを見ると相変わらず可愛いと思うのだろう。
 
 今年は座る前にミツバチがとまっていないか確認してから座ろうと思っている。

 

(完)

 

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