はちみつ家 > 蜂蜜エッセイ

ミツバチと共に90年――

信州須坂 鈴木養蜂場

はちみつ家

Suzuki Bee Keeping

サイトマップ RSSフィード
〒382-0082 長野県須坂市大字須坂222-3

 

蜂蜜エッセイ応募作品

墓石にミツバチの巣

浅井洋子

 

 ここ数年、里のお墓にミツバチが巣を作り、刺されると危ないので、薬剤を散布したりして、追い出そうとしますが、追っても追っても巣作りをするので、よっぽど、ここが気にいったのか、他の動物に襲われないので、安全のためなのか、今は、そのままにしてあります。
 でも、ふと、私は思うのです。昭和の時代、日本は戦争をしていた時期がありました。女学校に通っていた叔母が、軍需工場に働きに行き、空襲で爆死しました。
 当時は食料不足で、みんな、いつもひもじい暮らしをしていました。
 甘いものなんて、眼にすることさえありませんでした。叔母はさぞ食べたかったでしょうが、思いやりのある、やさしい子だったので、食べ物をねだることはしませんでした。
 おいしいものも食べることもできず、お国のために死んでしまった叔母が、本当に可哀想です。
 お墓の中にいる叔母のために、ご先祖様がミツバチを招いてくれたのではないだろうか。
 甘いミツをたっぷり食べさせてあげるために、ミツバチは巣を作ってくれているのではないでしょうか。
 ミツバチさん、おいしいミツを叔母に食べさせてくれてありがとう。
 追っぱらってごめんね。
 遠くから、ミツバチさんのご好意に感謝しております。

 

(完)

 

蜂蜜エッセイ一覧 =>

 

蜂蜜エッセイ

応募要項 =>

 

ニホンミツバチの蜂蜜

はちみつ家メニュー

鈴木養蜂場 はちみつ家/通販・販売サイト

Copyright (C) 2011-2024 Suzuki Bee Keeping All Rights Reserved.