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蜂蜜エッセイ応募作品

元気がでるおすそ分け

丸山ゆうな

 

 高校一年生の夏休み、学校のプログラムに参加してニュージーランドに行った。私にとってほとんど初めての海外だった。さて日中通う英語のクラスでは学校の先生や友達と過ごしていたが、それ以外はみんなばらばらに現地の家庭にホームステイをしていた。そんな慣れない海外生活もホストファミリーが自分たちの家族のことを話してくれたり、日本のことを聞いてくれたりして順調に過ごしていた。
 でも、南半球のニュージーランドは日本と季節が真逆。私が行った時は冬で、暖かい日本から急に寒いところへ行ったので、私はホームステイ中盤、学校で体調を崩してしまった。そこまで大事ではなかったが、学校には日本の保健室のようなものも無く、もし授業が受けられないようなら寒いトイレにあるベッドで寝るくらいしかない。それに加えて学校からステイ先に帰ったら友達もいないので、もっと調子が悪くなったら自分で説明しなくてはいけない。
 どうしようと不安に思っていた時、引率の学校の先生が
 「後でいいものを持ってくるね」
と言ってくれた。そしてホストファミリーが迎えに来て、家に帰るという時間になってから
 「スプーンひとさじだけでも元気になるよ」
 とビンに入ったマヌカハニーをくれた。実は先生は日本からの飛行機内で乾燥がひどくて喉の調子が良くなかったので、マヌカハニーを買っていたのだ。
 私は「本当かな?」と半信半疑ながらもそれを持ち帰り、家でひっそりスプーンにとってなめてみた。とても甘かった。そして少しだけ舌がピリッとした。
 翌日から体調の悪さはふっとんだ。もちろんマヌカハニーのおかげかもしれないけれど、同時に私に元気になってほしいとおすそ分けしてくれた先生の気持ちもこの中に入っていたのもあると思っている。
 あの時から、周りで体調が悪くなったり、ちょっと気分が落ち込んでいる人がいる時には、マヌカハニーのおすそ分けをするようにしている。私からの「元気になってね」という気持ちも込めて。

 

(完)

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