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蜂蜜エッセイ応募作品

げんきにな~れ

きなこもちうどん

 

 あれは中学一年生の頃だった。バレーボール部に入り毎日くたくたになって家に帰りつき、玄関で倒れこむとそのまま泥のように寝てしまう日 々だった。
夏休み、毎日部活にもっていく水筒の中身はスポーツ飲料か麦茶と決まっていた。
 ある時から水筒を飲むと体に生気がみなぎるように元気回復するようになった。
 母にどこのメーカーのスポーツ飲料かきいたが教えてくれなかった。
 朝登校前と、帰宅後、寝る前に、甘いレモンの皮を母に口に放り込まれたのもこのころだろう。
 時は過ぎ、結婚出産育児を経験し、子宮の病気を患い全摘をした。
 退院後、貧血症状がなかなか改善せず、すっきりしない毎日を送っていたら、今では年を重ねた母が、綺麗な琥珀色のガラス瓶を持ってきた。中には、スライスしたレモンとたっぷりのはちみつだった。
 大きなマグカップに熱湯を注ぎ、スプーンでたっぷりとはちみつとレモンをすくい上げ入れた。そして私に差し出した。
 一口飲んで思い出した。あの時の水筒の中身だ!そして母は「昔みたいに、朝晩このはちみつたっぷり染み込んだレモンを食べれば、すぐにげんきになるよ。」
 懐かしい味に、母からのやさしさを感じながら、毎朝、夕方、寝る前とレモンを食べ、昼にはたっぷりのはちみつレモンを飲んだ。
 退院一カ月の検査では、貧血は改善されていた。
 中学生の娘の水筒の中身は、もちろんはちみつレモン。
 娘よ、元気におなり。
 あの頃の母の気持ちがよくわかる。
 お母さん、ありがとう。

 

(完)

 

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