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蜂蜜エッセイ応募作品

ハッチのママを探して

はるの むぎ

 

 子供の頃蜜蜂のアニメを見ていた。みなしごハッチだ。一匹の蜜蜂が生き別れの母を探して旅をするという話だった。もう何十年も前のそのインパクトのある話を今だに覚えている。当時はハラハラしたり泣いたりして夢中になって見ていた。けれども、大人になって、ハッチのママって女王蜂だよね。全員がママから生まれてるんじゃない?しかも卵で。と気がつく。家来かなと思ったし。
 そこで蜜蜂の生態について調べてみた。やはり女王蜂は通常コロニーに一匹だけしか存在せず、毎日1000個以上の卵を産むらしい。そして生まれた働き蜂は生殖以外の全ての仕事を担当して寿命は1ヶ月。はじめの2、3週は内勤。あとの1、2週は蜜集めの外勤らしい。この時期にスズメバチなどと闘いながらせっせと蜜の採集や花粉の媒介をするのだ。なんて働き者!って、じゃあ、いつママを探していたのかな?
 自然の摂理は素晴らしい。誰が決めた仕組みなのか、この統制のとれた蜜蜂の組織は人間の民主主義より完成している。社会主義?生きる意味や虚しさを蜜蜂が感じるかは不明だが、少なくともその一生懸命で地道な生き方には感動する。人間もむしろその健気さを見習わなくてはいけない。というのは言い過ぎかな。でも彼らは蜂蜜という美味しい成果も得ているわけだしね。ほんと偉い!
 アニメでは女王蜂はハッチが探しているママだ。母という存在は小さな蜂でさえも思慕するものだという描き方が泣かせる。確かに、お母さんに会いたい!っていうのは永遠のテーマだよね。母親である私にはちょっと嬉しい。世のお母さん達もそう思うでしょ?ま、蜂の話なんだけどね。冷静になれば。
 そんな事考えながら、ヨーグルトにたっぷりとアカシア蜂蜜を入れて食べる。甘くてコクがあって舌がとろけそうに美味しい。蜜蜂がせっせと集めてくれた蜂蜜だ。それにしてもこんなに美味しい蜂蜜を食べる事が出来るのも蜜蜂のお陰だと再認識した。ありがとう!蜜蜂さん。ところで、もうママは見つかったかしら。

 

(完)

 

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