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蜂蜜エッセイ応募作品

束の間の呼称「第三のはちみつ」(五)

渡辺 碧水

 

 【同タイトル(四)から続く】
 ただ、秩父地域にあって、百二十年の歴史をもつ農業系高校ではあるが、農場はあっても養蜂はしていなかったらしい。同校教諭の齋藤俊男氏は、論文には加えられているが、新技術説明会や特許申請では共同開発者扱いを受けていないからである。
 後に出てくる「『第三のはちみつ』研究会」の設立趣意書には、「…埼玉県立秩父農工科学高校食品化学科の地域特産品づくり推進事業のなかで、秩父地域の森林から得られた『カエデ樹液』にミツバチが群がることが見出され、埼玉大学に技術相談がありました」とある。生徒の貴重な気づきを自校で研究できるだけの施設はなかったと思われる。
 ただし、メディアの取材記事は異なっていて、契機は、二〇〇六年、同校が百年の森づくりの会から秩父の森林資源の活用の一環として、秩父産のカエデ樹液を利用した食品開発を持ちかけられ、生徒たちが養蜂担当教師の指導の下、試行錯誤した結果、蜜蜂に与えるアイデアが生まれた、とされる。
 いずれにしても、同校生徒の観察を起源に始まった「カエデ樹液の新規蜂蜜づくり」の活動は、埼玉大学や百年の森づくりの会が主体となり具現化した、というわけである。
 二〇〇八年から始めた一連の研究の実施と、二〇〇九年六~九月の発表で、埼玉県の人びとは大きな希望を持ったに違いない。
 そして、絶好のタイミングで新国家事業に直結した。二〇一〇年度から開始の「過疎地域等自立活性化推進交付金事業」(交付金は満額一千万円)の募集である。自治体等もNPOも研究者も協働してできる「渡りに船」の募集だった。
 瞬く間に、秩父市が主体となり、長いタイトルの「『第三のはちみつ』の開発と普及による花と蜜のあふれる地域活性化推進事業」案を作り上げ、総務省に申請した。
 そして、当然のごとく、この研究の充実発展と普及に向けて同志を集める機運が高まり、二〇〇九年十二月には、「『第三のはちみつ』研究会」設立趣意書が発信された。
 【同タイトル(六)へ続く】

 

(完)

 

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