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ミツバチと共に90年――

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母強し

エイコリー

 

 70を過ぎた母は今も働いている。痛いところがあってもしんどくてもずっと働いてきた母。私は尊敬している。
 母は子供の頃、岩手県の山奥に住んでいたのだけれど、その時の話は現代は幸せだよなあと思わせるツラい思い出も多い。
 その中のひとつに、母は昔から我慢強い女だったのねと思わせる話がある。
 スズメバチ。
 七人兄弟(姉妹含む)の母が一人で留守番していたとき、頭にズズズッと痛みが走り、頭上を舞うスズメバチを見て、頭のてっぺんを刺されたことに気づいた。 
 でも、ちいさいしどうしていいかわからず、そこにしゃがみこんでいたらしい。
 そのあとの記憶は曖昧で、痛かったとしか言わないが、蜂やカラスなどつつかれる生き物を見ると、必ずその話をする。
 多分、怖いのだと思う。
 でも、スズメバチに頭のてっぺんを刺されても、母は今も働き続けている。
 痛いところも、病院へは行かず自分で治す。
 そういう姿を見て、これってスズメバチに刺されてパワーを貰ってない? と私は母を見る。
 転けても立ち上がる。電気の通った洗濯機に手を突っ込んでもどうともなかった。
 スゴい。尊敬している母は、痛い思いをしたあの日に何かがあったんだと私は蜂を見るたびそう思うのだ。

 

(完)

 

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