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蜂蜜エッセイ応募作品

蜂蜜の蜜源を変える(四)

渡辺 碧水

 

 【蜂蜜の蜜源を変える(三)から続く】
 この発想の転換によって、蜜源も養蜂箱も養蜂時期も変える養蜂の技術革新は、間髪を入れず、二年後には次の技術発明が発表された。埼玉大学を拠点とした開発研究は、既にいくつも並行して進められていた。
 前掲の特許発明は、花以外の密源を用いる蜂蜜の製造方法として、カエデの樹液や、果実等の絞り液、野菜類の汁液、抽出液を用いる可能性を提示したものであった。
 だが、植物の果汁等やカエデの樹液は、量を確保するのが必ずしも容易ではない。安価で、かつ大量に密源を確保するという観点からはまだ制限を伴うものであった。
 そこで本技術開発は、より大量にかつ安価に入手可能な密源を用いるハチミツの製造方法を提供することを目的とした。
 検討を重ねた結果、澱粉含有食品原料に所定の処理を施した糖化液が、密源として好適であり、良好な品質の新規蜂蜜の製造が可能であることを見出した。
 澱粉含有食品原料は、澱粉を含有する食品原料であれば特に制限はない。その食品原料は、例えば、穀類、イモ類、マメ類、果実、野菜などである。大ざっぱに言えば、農業生産物のほとんどが原料(蜜源)になり得るわけである。
 これらの原料は、そのままでは蜜蜂が蜜源として摂取できないので、原料を糖化液にする必要がある。
 糖化液や蜂蜜生産の工程については、詳細かつ具体的な説明が提示されている。
 この技術革新は、特に、形状や大きさが問題で廃棄される農産物、豊作や落下などにより廃棄される農産物などを蜂蜜にでき、食料自給率を向上させる。
 糖化液を準備すれば、花蜜のない冬季でも養蜂ができ、翌春に向けて健康な蜜蜂を冬季に育てることも可能になる。システム化すると、蜂蜜の工場生産さえ可能になる。
 気になるのは、施設、設備、習得技術の問題。そして、実用化の行方は?
(技術:新規ハチミツの製造方法及び製造されたハチミツ。出願人:国立大学法人埼玉大学、埼玉県等多数。発明者:藤原隆司、等多数。公開日:二〇一三年九月十九日。公開番号:二〇一三-一八三七〇〇号)

 

(完)

 

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