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ミツバチと共に90年――

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蜂蜜エッセイ応募作品

過ぎ去った夏の思い出

高木 勇

 

 私は45年前、妻の故郷である奄美大島の笠利町で、養蜂をしている叔父さんと知りあいました。叔父さんは島の人で「主に養蜂は、マンゴーやタンカンなどの受粉を目的に蜜蜂を貸し付けるため。ハチミツ(蜂蜜)は主に自家用」と言われました。これを聞いて養蜂に興味をもち、島に帰ると訪問してハチミツを分けてもらう交流が続きました。
 妻はハチミツを珈琲やホットミルクに入れて体を温め、子供には水泳やサッカー後に食べる、ハチミツのレモン漬けが好評でした。そして私は、子供達がハチミツを食べる時には、きまって奄美の養蜂叔父さんの話をしました。
 
 子供が小学生の時に、郊外の新興住宅地に引っ越しました。回りには緑があり、息子と娘に誘われ昆虫採取に行くと蝶やバッタが面白いように採れました。これに気を良くした息子が、「木に奄美の養蜂叔父さんのハチミツを塗って朝、見に来ようよ。きっと大きな虫がいるから」と言い実行しました。
 その夜は、明日の虫取りの話で盛り上がりました。翌日、朝6時から妻も参加して、昆虫採集を開始しました。直ぐに山の中腹で、歓声があがりました。昨日、ハチミツを塗った木ではありませんが、カナブンと玉虫がいました。私はヘビに脅えながら、茂みの中を妻の後ろについて少し登ると、ハチミツにカブト虫がいて難なく捕まえました。さらに息子が「お母さん、カブト虫が飛んでた。本当に飛ぶんだ!」と大興奮。皆でカブト虫3匹、昆虫5匹を捕まえ意気揚 々と引き揚げました。朝食は、昆虫採集の話で盛り上がり、パンにハチミツをたっぷり塗って食べました。
 
 今、養蜂叔父さんは鬼籍に入り、子供達は親になり緑地は住宅に変わりました。来年はコロナ禍をやり過ごし、孫達とハチミツを持って家族揃ってもう一度、昆虫採集いや観察に挑戦してみたい。そして、孫達に久し振りに奄美の養蜂叔父さんとの出会いを語ってみたいと思っています。

 

(完)

 

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