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蜂蜜エッセイ応募作品

蜂蜜の性状を変える(三)

渡辺 碧水

 

 【蜂蜜の性状を変える(二)から続く】
 二、蜂蜜の液状をペースト状に変える技術
 昔から、蜂蜜は滋養に富む食品として幅広く利用されているが、粘り気の強い液状のため液切れが悪く、容器を汚すなど使い勝手上の欠点があることから、広範に利用されていないのが実情である。
 そこで、液状の蜂蜜に適度の粘性を与えてペースト状またはジャム状にすることでパンなどに塗って食べるときに、流れることがなく食べやすくする技術が研究された。
 ペースト状とは、一般的に、材料をすりつぶして、流動性のある半固形に加工した状態のことをいう。
 既に、いくつもの特許を得た方法が考案されている。微細な結晶を加えて蜂蜜全体を擬結晶化させる方法や、安定剤、増量剤としてホエー蛋白質やカゼイン蛋白質等の蛋白質や各種加工澱粉等を添加することで、蜂蜜の流動性を抑止し、ある程度の安定性、ボディ感のある物性を形成する方法、などである。
 しかし、これらは、いずれもいくつもの欠点や問題点を持ち、技術開発後、長続きする普及や実用化には至っていない。
 これらの先行技術を参考に、有効性の高い実用新案が検討された。経過は専門的で長文になるので省略するが、結果的に、次のような原理の製法が発明された。
 粘稠性の高い蜂蜜に、コンニャクマンナンとその他の天然粘質物(カラギーナン、グアガム、寒天、ペクチン)とを適量添加する。
 このことによって、コンニャクマンナンの強い保水力により蜂蜜の流動性を抑え、さらに天然粘質物によりコンニャクマンナン水和液のもつベタベタ感を改善し、品質の経時変化を相乗的に抑えることができる。
 その結果、蜂蜜本来の風味、外観等を維持しつつ、そのレオロジー的性質(粘弾性)を変え、パン等に容易に塗ることができる長期間均質安定なペースト状蜂蜜の製造が可能となった。
(技術:ペースト状蜂蜜及びその製造方法。特許出願人:オリヒロ株式会社。発明者:小森谷雅彦。公開日:一九九五年十月二十四日。公開番号:一九九五-二七四八五四号)
 【蜂蜜の性状を変える(四)へ続く】

 

(完)

 

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