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六角形巣構築の過程(二)

渡辺 碧水

 

 【六角形巣構築の過程(一)から続く】
 日本人研究者による最近の文献を探し得ているのだが、順序として以前の外国での報道を先に紹介しておきたい。
 二〇一三年七月十七日、世界三大通信社の一つであるAFP通信は、国際ニュースとして、記事「蜂の巣の建築方法を解明」を配信した。
 同年、英国王立協会の学術誌『ロイヤル ・ソサエティ ・インターフェース雑誌』に掲載された論文「蜜蜂の巣:円形の巣房はどのようにして六角形に変化するか」の紹介で、イギリスのカーディフ大学の物理学者、ブーシャン ・カリハルー教授ら三人のチームが発表した研究についてである。
 記事は、数千年もの間、科学者たちが「蜂の巣」の工学技術に驚嘆の声を上げてきたとし、四世紀のエジプトの数学者、アレクサンドリアのパップスなどについてふれた。
 そして、最新のものとして、カリハルーらの研究成果を紹介した。
 巣の構築を担う働き蜂たちの動きを観察した結果、蜜蜂の巣の小部屋(巣房)は最初、六角形ではなく円形に作られ、働き蜂が発生する特別な熱によって、半溶融状になった蜜蝋(みつろう)がゆっくりと形を変え、六角形になることがわかった、というもの。
 原著論文の記述にも当たり、研究の経緯についても探ってみた。
 蜜蜂がはじめ円形の巣房を作り、それがその後六角形になるという考えは、十九世紀のイギリスの自然科学者、チャールズ ・ダーウィンによって示された。しかし、彼は説得力のある証拠を見つけることができなかった。
 今回の発見に至るまで、ハニカム構造についても、蜜蜂の巣についても、長年、学界を上げて多様な議論と実験がなされてきた。その積み重ねを踏まえている。
 カリハルーらは、円形プラスチックストローの束を使い、加熱して絞ると、断面の円形が六角形に変化することを実験で確認し、その詳細を二〇一一年に発表している。
 蜂の巣の研究は、その成果からヒントとアイデアを得たのだそうだ。
 研究チームは、イタリアン種の蜜蜂の巣を実験対象に選び、巣箱に燻煙をかけて働き蜂の巣造りを中断させ、蜂を追い出し、巣脾(すひ)板の新旧の巣房を比較観察した。
 その結果、新造の巣房の内側は円形であるのに対して、時間を経た巣房は六角形に変化していることが判明したのである。
 【六角形巣構築の過程(三)へ続く】

 

(完)

 

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