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蜂蜜エッセイ応募作品

蜜蜂の巣は神秘な形(二)

渡辺 碧水

 

 【蜜蜂の巣は神秘な形(一)から続く】
 すると、働き蜂の腹から白い鱗状の蝋片(ワックス)が出てくる。分泌腺から押し出されたワックスは中脚と前脚で口のあたりに運ばれ、そこで大顎によって、大顎腺からの分泌物と混ぜながらこねられ、紙のような薄い小片となる。
 一つのワックスの小薄片が造られるのに四分かかる。ワックス百グラムで約八千の巣房が造られる。これに使われるワックス薄片は十二万五千片にも及ぶのだそうだ。
 全素材が蜜蝋という優れた天然素材は、しっかりと形を整え、水をはじき、丈夫で機能性に富んだ巣脾に仕上がる。造られた巣は、雨や湿気にも強く、一キロのワックスは二十二キロの蜂蜜を貯蔵する強度を有しているという。
 また、蜜蝋の枠は、単に空間的な仕切りにとどまらず、振動によって蜜蜂同士がコミュニケーションをする(人間社会の、電線や光通信設備のような)役割なども果たす。
 巣房は、花蜜や花粉の貯蔵、産卵、幼虫やさなぎの育成、成虫の居室などのために造られるが、管(チューブ)状の構造をしていて、一端(底)はふさがれている。開いているもう一方の端(入口)も、必要に応じて働き蜂によってふさがれる。
 西洋蜜蜂の場合、普通、働き蜂用の巣房の口径は五 ・二~五 ・四ミリであるが、大柄な雄蜂用のものが必要な時期には、六 ・二~六 ・四ミリの巣房を既存の巣房の周辺に数千個追加して造られる。
 巣房の壁の厚さはおおよそ〇 ・一ミリ。巣房の奥行き(深さ)は、普通、十~十二ミリであるが、蜂蜜の貯蔵用には三十七ミリに及ぶものも造られる。
 すべての巣房は、地面に対して水平より多少(九~十四度)傾斜になっている。入口が上向きに造られるから、蜜の貯蔵の場合、粘性もあってこぼれ落ちづらい。
 養蜂の巣箱では、何枚かの巣板が縦に組み込まれるが、一枚の巣板は厚さが約二十五ミリで、二層構造で二面の巣房群が並び、各外側に入口があり、中央部分でそれぞれの底がくっつく形になる。
 これを横断面図にしてみると、両面の入口から中央の底へ緩い傾斜で下がっている。
 【蜜蜂の巣は神秘な形(三)へ続く】

 

(完)

 

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