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ミツバチと共に90年――

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蜂蜜エッセイ応募作品

おでこにはちみつ

カツメハナ

 

 学校帰りにはちみつを買って帰った。
 3時頃のスーパーに、制服姿はなんだか場違いで、周りの主婦にじろじろ見られているような心地がした。いたたまれなくて、レジに並ぶ間、私は重たくカットした前髪をすき間なく整えた。
 はちみつには殺菌作用があるらしい。
 中学に上がってから、私のおでこは汚い菌にまみれになってしまった。きちんと洗ってきれいにしているのに、お母さんは思春期だから、大人になればなくなるって。でも、とても待ってなんかいられない。だって痛いし、何よりも恥ずかしい。体育のマラソンも、授業中の扇風機も、怖くってたまらない。こんな気持ちで青春をすごすなんてぜったいにイヤ。一刻もはやく消し去りたい。だから、はちみつをたらふく買った。月1000円しかもらえないおこづかいを全部使った。ビンに入ったお高いやつ。効くに決まってる。
 幼稚園生のとき風邪をひいて、のどが痛くて仕方なくて、お母さんに言われてはちみつを舐めた。そしたら、腫れがすっとひいて、苦しさが消えたのを今でも覚えている。そのときみたいに、きっとおでこもきれいにしてくれる。帰ったらスグにお風呂に入って、お母さんの大事にちまちま使ってる化粧水を内緒でバシャバシャ使った仕上げに、はちみつをたっぷり塗りたくるのだ。そして今日はご飯を食べずに寝てしまおう。
 明日が楽しみだな。私はうきうきとした気持ちで、ビニール袋を振って歩いた。

 

(完)

 

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