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蜂蜜エッセイ応募作品

輸出蜂蜜への素朴な疑問

渡辺 碧水

 

 前に、二回に分けて、「輸入蜂蜜への素朴な疑問」を書いた。
 蜂蜜の国内消費量は約九十四%を輸入に依存しているから、他国への輸出など、思いにも至らない。私などは、今までそんな話題も資料も見聞したことがない。
 ふと、実態を知りたいと思い、輸入の場合と同様に、最近の年間輸出状況を探してみた。
 確かに、蜂蜜輸出の実績はあった。
 輸入蜂蜜の場合と同じ財務省「貿易統計(輸出)」を基にした「農産物(畜産品)」の品目の中に「天然はちみつ」(以降「蜂蜜」と略す)の資料があった。
 これによると、二〇一九年に輸出した蜂蜜は、十か国(輸入国数比約五分の一)へ総量九千五百五十九kg(輸入量比約四千六百八十五分の一)、総金額三千十二万二千円(輸入金額比約五百二十三分の一)。
 分量的にも金額的にも、蜂蜜の輸出はごくわずかである。
 輸出量の多い国(括弧内は全体中の割合)から順に挙げると、一位台湾(四二 ・六%)、二位香港(二二 ・四%)、三位韓国(一〇 ・五%)、四位シンガポール(八 ・一%)、五位タイ(六 ・三%)、六位中国(以降略)、七位マレーシア、八位ベトナム、九位カナダ、十位マカオであった。
 一kg当たりの輸出単価を算出してみると、平均は三千百五十一円。輸入単価平均の三百五十二円に比べて約九倍の高値である。
 内訳を高値国から順に挙げると、一位ベトナム(一万六千九百四十三円)、二位タイ(六千百五十円)、三位香港(五千八百三十四円)、四位マカオ(五千四百五十二円)、五位中国(四千九百三十七円)、六位シンガポール(三千五十二円)、七位カナダ(二千九百八十一円)、八位台湾(千百六十二円)、九位マレーシア(千二十円)、十位韓国(七百九十円)だった。
 誤記や計算違いを疑い見直すほど、実態は高値で差も大きい。
 輸入との格差にも驚く。例えば、輸出高値一位のベトナムは、輸入では逆に安値の一位で、同じ一kgなのに百五十六円(輸出額の百九分の一という安さ)だった。
 こうした価格差はなぜ生じるのか。不思議な気がしてならない。

 

(完)

 

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