渡辺 碧水
最近の公的資料によると、国内の蜂蜜の自給率は約六%だとされる(『養蜂をめぐる情勢』農林水産省、二〇一九年十一月)。近年では、緩やかな減少傾向にある。
つまり、国民の健康意識の高まりなどで、蜂蜜の消費量が増加傾向にある中、国内需要の約九十四%にも及ぶ大量の入手を外国からの輸入に依存しているわけである。
そんな情況の下、国内の蜂蜜生産販売業者などの専門家が発信するネット情報で、すんなり読み流すわけにはいかない記述に出合った。それも一度や二度ではない。
また、養蜂場に問い合わせる人もいるようなので、そのことを知って気にする消費者も少なくないと思われる。
ある養蜂場の「よくある質問」に対する回答の中に「輸入蜂蜜の中には輸入時に高温の加熱を義務づけられたものがあるらしいです(すみません、詳しく分かりません)」とあった。養蜂家にも、不明なこと?
気になるその記述例を次に挙げてみる。
・ドラム缶などで輸入される原料用はちみつは、船に積載する際に八十℃以上に加熱しなければいけないというルールがあります。
・原材料としてはちみつを輸入する際は八十℃以上で加熱しなければなりませんが弊社は製品を○○○○から空輸している為、非加熱のままでお届けできます。
・原材料としての「はちみつ」は、輸入される際に必ず八十℃以上に加熱されます。これは残留農薬と抗生物質の除去の為ということです。
・ハチミツの品質としては、輸入原材料は蜂蜜は残留農薬と抗生物質の除去の為に八十℃の加熱が義務付けられています。
「原材料」とはあるが、語られている場面は直接食べる蜂蜜の話題の中なので、私などは、消費者が家庭で食する輸入蜂蜜はすべて八十℃以上に加熱されている、と受け止めてしまう。
そこで、疑問に思い、根拠を確かめたいものと、輸入関連の法律などをいろいろと調べてみた。残念ながら、素人の私には、それらしい規定すら探し出せなかった。
まさか、デマや噂の類ではなかろう。不思議に思う人は多いはず。どなたか是非、根拠の法令等を具体的にお教えいただきたい。
(完)
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