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蜂蜜エッセイ応募作品

蜜蜂ウイルスの人体影響(三)

渡辺 碧水

 

【蜜蜂ウイルスの人体影響(二)から続く】
 対象九十二群について検出された結果を、感染率の高いウイルス(Vと略す)から順に示すと、次のとおりである。
① チヂレバネV……………九八 ・九%
② イスラエル急性麻痺V…四〇 ・二%
③ カシミール蜂V…………三九 ・一%
④ 黒色女王蜂児病V………二六 ・一%
⑤ サックブルードV………二〇 ・七%
⑥ 急性麻痺病V………………六 ・五%
⑦ 慢性麻痺V…………………二 ・二%
 また、同一群内で複数のウイルスに感染していた群数を、重複数の多い順に累計して示すと、次のようになっている。
七種全部に感染……〇群( 〇 ・〇%)
六種に感染…………二群( 二 ・二%)
五種以上に感染……八群( 八 ・七%)
四種以上に感染…二一群(二二 ・八%)
三種以上に感染…三五群(三八 ・〇%)
二種以上に感染…五七群(六一 ・九%)
一種以上に感染…九一群(九八 ・九%)
全く感染なし………一群( 一 ・一%)
 このように、普通の蜜蜂群がかなり高い率でいくつものウイルスに感染している実態が明らかにされた。
 全群と言っても過言でないほど、チヂレバネウィルスに感染していた。一説によると、同ウイルスに感染した蜂は、羽が縮れて働けなくなり、やがて巣で形成されていた蜂社会は崩壊するという。この羽を変形させるウイルスをダニが後押し、感染している蜂群を人間が養蜂用に売買することによって、結果的に全世界の養蜂蜜蜂に蔓延させ、蜜蜂の健康状態を損ない続けているそうだ。
 しかし、現在のところ養蜂家が利用できる認可された抗ウイルス剤はなく、養蜂家は殺ダニ剤を使って、ウイルス媒介の疑いのあるダニを駆除することでウイルスに対処しているにすぎない。
 この調査結果の理解と解釈については、冷静かつ慎重な判断に立ちながらも、やはり、これからの「養蜂」が、そして「蜂蜜」が、やがてリスクの高い状態に置かれると暗示している、と受け止める方が賢明なのではなかろうか。

 

(完)

 

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