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蜂蜜エッセイ応募作品

「女王蜂」という呼称(三)

渡辺 碧水

 

 【「女王蜂」という呼称(二)から続く】
 もし世界的な理解も、(一、二)で述べたような経過だとすれば、「クイーン(女王)」と呼ばれるようになってからは四百年ほどしか経っておらず、それ以前の、たぶん何千年もの間はオスだと信じられ、名称も「キング(王)」と呼ばれていたようだ。
 女王蜂が長い間、オスと錯覚されて、王蜂と呼ばれ一目も二目も置かれていたのには、それなりの理由があった。
 その理由の一つは、体が大きいこと。巣の中で一匹の蜂だけが他の蜂より二倍も大きく、体重は三~四倍。甚だしいのは寿命の差で、多くの蜂がわずか一か月しか生きられないのに、その蜂はその五十倍以上、三~五年も長生きする。
 もう一つ、蜜蜂の生態を見て驚き、感心させられるのが、巣群の中では常に、その大柄の蜂を十数匹の蜂が放射状に取り囲んでおり、まるでかしずいて世話している状態にある。
 そして、他の蜂もそれぞれに役割があり、整然とした秩序ある社会を延 々と築き続けている。何万もの蜂が協力し合って生活を営んでいるのは、優れた統率蜂がいるからだと人間には思われ、中心にいる蜂はオスの「王様」に違いないと判断したのであろう。
 現実に視点を戻して、蜜蜂社会において女王蜂は本当に統率蜂なのあろうか。確かに一見すると、群れの中心部にいて、群れに君臨しているようにも見える。
 だが、角度を変えてみると、女王蜂の仕事は、ひたすら卵を産み続けるだけのようだ。産卵能力は勝れてはいるが、他の機能は退化して、自らの生命源のローヤルゼリーも、働き蜂から口移しでもらわなければ生きていけない。
 本当のところは、女王蜂に卵を産むように仕向けている働き蜂の方に実権があるようにも思われてくる。
 そうは言っても、女王蜂は巣の中でただ一匹の、働き蜂、雄蜂、未来の女王蜂を産む重要な役割を担う母親である。やはり母親は偉大な存在といえる。
 この意味で、専門用語も「母蜂」と記す方が適切なのかもしれない。

 

(完)

 

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