渡辺 碧水
【蜂蜜の結晶を溶かす(一)から続く】
二、少量なら電子レンジで溶かす
急いで少量を手早く溶かしたいときに限れば、便利な方法。だが、温度調整が案外難しく、温め過ぎると、栄養素や風味を損なうので、大量を溶かすのには不向き。
(一)電子レンジOKの耐熱性小皿に、容器から一回に食べる分量だけをスプーンですくい取り出して入れる。
(二)温度四十℃(または自動モード)に設定した電子レンジで、まず五~十秒間温めてみる。
(三)蜂蜜をスプーンなどでかき混ぜて、溶け具合をよく確認する。
(四)液状への戻りが不十分であれば、完全に結晶が溶けるまで、(二、三)を繰り返す。
ガラス瓶やプラスチック容器ごと温めると、破裂することがあるので、絶対にしないこと。必ず別皿に移してからレンジにかける。加熱し過ぎないように短い時間で温め、様子を見て、何度かかき混ぜながら調整すると、失敗なく溶かすことができる。過剰にすると煮立ってしまう。
確かに結晶は容易に溶けるが、高温で大事な成分の酵素などが壊れてしまうおそれがあることから、あまり推奨されていない。
三、湯煎して溶かす
湯煎とは、容器ごとお湯に入れて間接的に熱すること。手間と時間をかけ、火にかけて見守らなければならないが、きれいに結晶を溶かす一般的で確実な方法。完全に結晶がなくなるまで湯煎しておくと、再結晶が起りにくくなる。
(一)大きめの鍋類に底板(耐熱性小皿)を置き、ふたを外すか軽く置いた状態で、結晶蜂蜜入り容器を、コンロなどの上にそのまま載せる。ふたをきつく閉めたままにすると、温まった空気が膨張して容器を内側から圧迫し、破裂するおそれがある。
(二)鍋類に水を入れる。水量は、容器中の蜂蜜の量と水面が同程度か少し下になるようにする。
(三)火を着け、弱火(お湯の温度は五十℃前後。最高で六十℃)で温める。温度が高いほど速く溶けるが、触っても熱くない程度の三十五~四十五℃で気長に溶かすのがベスト。
【蜂蜜の結晶を溶かす(三)に続く】
(完)
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