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蜂蜜エッセイ応募作品

蜜蜂の感染症(後)

渡辺 碧水

 

 【蜜蜂の感染症(前)から続く】
 日本国内での腐蛆病の発生状況は、大ざっぱには減少傾向にあるが、直近十年は年間おおむね百~二百蜂群で推移している。
 都道府県の公示によると、腐蛆病の場合、治療法はなく、蔓延を防ぐために、発症蜂群は法によって巣箱ごと焼却処分となる。発生時、半径二キロ以内の全ての蜂群が移動禁止となり、場合によっては全てが焼却処分になる。
 どうやら、何百年も繰り返す腐蛆病の発生に対して、未だに治療法は確立されておらず、短絡的処置にとどまる。それも、発見、そく焼却という人間側の身勝手なやり方である。薬で症状を抑えて感染幼虫を生かすと、育児担当蜂が感染幼虫を巣から排除しなくなり、結果的に巣内の汚染が長期に及ぶからだそうだ。
 「腐蛆病(ふそびょう)」とまとめて呼ばれているが、この病気には「アメリカ腐蛆病」と「ヨーロッパ腐蛆病」という異なる二つの病気が含まれる。
 アメリカ腐蛆病は、一~二日齢の幼虫にアメリカ腐蛆病菌が感染することによって起こる。発症までには時間がかかり、サナギになるために幼虫の部屋(巣房)にふたがされた後に死亡することが多い。
 一方、ヨーロッパ腐蛆病は、一~二日齢の幼虫にヨーロッパ腐蛆病菌が感染することによって起こる。発症はアメリカ腐蛆病より早く、巣房にふたが掛けられる前に感染し死亡することが多い。
 ついでに日本の現状を言えば、アメリカ腐蛆病の予防には、抗生物質製剤(ミロサマイシン、商品名「ミツバチ用アピテン」)が実用化されている。
 ヨーロッパ腐蛆病の予防については、「ミツバチ用アピテン」が用いられてはいるが、効果は限定的。結局、予防薬として承認されている薬剤はない。
 長期にわたって世界中の国 々で発生し、多様な蜜蜂種に発生するヨーロッパ腐蛆病については、診断でPCR検査が用いられ、人間を介した伝染の注意や消毒などの一般的衛生対策が重要、等 々が指摘されている。
 気が付けば、新型コロナウィルス感染症への対処と酷似しているのに驚く。

 

(完)

 

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