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蜂蜜エッセイ応募作品

女王蜂を探す新米養蜂家(後)

渡辺 碧水

 

 【女王蜂を探す新米養蜂家(前)から続く】
 雜誌名の『アパ ・ルーム』は、知る人ぞ知る「二階の間」(別名「最後の晩餐の部屋」の方が有名)を意味する。聖霊降誕の出来事が起こった部屋を指す。
 記事の大半が信徒の日 々の実際生活の「証し」(証言。神様から頂いた恵みを人に伝えること)で構成される定期刊行物は、他に類例がない。
 毎年、多数応募の中から選ばれて編集されるこの証し集は、家庭礼拝用の格好の手引き書として、世界諸国の三百万人に毎日読まれているそうだ。創刊は一九三五年。
 さて、「女王を求めて」の証しについてだが、翻訳なのでわかりづらい部分があるかも知れない。最初の文の「捕らえどころがありません」などは「(同じような多数の蜂がうごめいていて)見分けがつけられません」ということか。
 当エッセイ第四回、二〇一九年五月掲載「養蜂家が見せたプロの技」などのように、分蜂の途中と思われる蜜蜂の大群が都会の繁華街などに突然現れ、大騒ぎを引き起こすことがある。その騒動も、養蜂家が駆けつけて、女王蜂を見付け出し、あっという間に群れ全体を巣箱に収拾する。
 このような例を見聞すると、養蜂でも「女王蜂を制する者は蜜蜂を制す」とばかりに、女王蜂の動きを注視しがちになる。だが、肝心な養蜂業の方は「木を見て森を見ず」に陥ってしまうおそれがある。
 熟練した養蜂家なら、巣全体の動静を見守る。その全体活動の様子から(女王蜂を見つけ出さなくても)、気になる女王蜂の活躍ぶりも手に取るようにわかる。
 新米養蜂家の女性は、実際の体験をとおして、不安の解消ばかりか、養蜂業の大事なところに気づかされた。夫の助言についても確証を得た。
 転じて、信仰のあり方も、神様に直 々お目にかかり、折り入ってお助け願いたいと神様を探すことは、養蜂で女王蜂を探し求めるのに似ていると会得し、迷いが解けた。
 この気づきの過程を「証し」し、賜物が与えられた好例として紹介されたのであろう。
 読み返してみると、わかりやすい「証し」だと感心する。

 

(完)

 

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