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蜂蜜エッセイ応募作品

戸惑い顔の「蜂の子」

渡辺 碧水

 

 またまた、新聞に某社の「蜂の子」商品の広告が載った。
 内容を具体的に挙げてみる。大文字の説明は次のようになっている。
 「『蜂の子』は、会話を楽しくする。そして会話は、人生をより良くする」
 家族の笑顔写真もあり、祖父と思われる人が「楽しい会話。それが何よりも生きがいです」と言う。
 さらにその中に囲みで資料が紹介されており、「Q、どんな時に生きがいを感じますか?」「第一位は『孫など家族との団らん』/平成二十五年度高齢者の健康に関する意識調査/内閣府」とあった。
 裏づけ根拠として挙げたのだから、誰もが、内閣府が同年度に実施した意識調査の結果はそうなっていると受け止めるだろう。
 ところが調べてみると、同年度には同調査は実施していない。それどころか、前後実施の十九 ・二十四 ・二十九年度も、同調査には「Q、どんな時……」の質問自体がない。
 さかのぼってみると、平成八年度(一九九六年)調査に同一質問があり、確かに第一位は「孫など家族との団らんの時」だった。次の平成十四年度調査では、質問が「普段の生活の中での楽しみ」に変わり、「孫など家族と過ごすこと」は第五位だった。
 こうした宣伝をどう受け止めたらいいだろうか。
 家族の団らんまでも背負わされた「蜂の子」は、戸惑い顔をしているのではなかろうか。
 信頼度が生命の新聞広告に、怪しいまやかし説明が混ざっているのには、蜂蜜 ・蜜蜂ファンとしてやるせない気持ちになってしまう。
 イメージ広告自体に曖昧模糊は付き物、と言ってしまえば、それまでなのだが、……。
 蜂の子商品自体の品質に「?」付かないか、余計な心配をしてしまう。
 同じ「蜂の子」の広告に登場する「古来より『長生き県』として有名な長野県」という類いの説明にも、「蜂の子」は戸惑っているのではないか。
 これについては、当エッセイ第四回作品(二〇一九年四月中旬掲載)の拙稿「蜂の子と長寿の関係」の中で、長野県保健 ・疾病対策課の見解を紹介した。
 良質商品にふさわしく、広告もまた良質であってほしいと願う。

 

(完)

 

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