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蜂蜜エッセイ応募作品

アフガニスタンでの養蜂(一)

渡辺 碧水

 

 紛争記事が多いが、新聞でよくニュースになる南アジアのアフガニスタン。
 長年の戦争で荒れ果てた上、今も紛争に明け暮れるこの国で、いったん途絶えてしまった養蜂を、日本が関わり再開させた、との話を聞いた。
 調べてみると、二つの情報が得られ、希望の灯を住民に与えつつあるという。
 その一つは「寺子屋」での訓練で養蜂に成功したというもの。
 一九九〇年、世界の識字率の向上を目的とした国際識字年の制定をきっかけに、公益社団法人日本ユネスコ協会連盟(略称:NFUAJ)は、「世界寺子屋運動」を始めた。
 現地では「コミュニティ学習センター(CLC)」と呼ばれ、「すべての人 々に教育を」をスローガンに途上国への教育支援が行われている。
 その一つ、アフガニスタンでの養蜂の成功は、二〇一一年十月、同連盟の活動報告などで日本に伝えられた。二〇一〇年一月から支援活動実施のミルアフガン村での話題である。
 この村は、首都もあるカーブル(日本ではカブール)県ファルザ郡の最北部に位置する。
 支援開始の当時、人口約千六百人という小さな貧村で、一定の年齢に達しても読み書きができない非識字者は約九十%(特に女性が多い)にも達していた。
 寺子屋で識字教育を受けた人たちは、生活向上を図るために、さらに養蜂の指導と訓練を受けた。蜂蜜の製品化に成功し、独自ブランドとして百%天然の商品を市場に出荷できるようになった。
 ラベルには「ファルザ郡のCLC産」と書かれ、NFUAJのロゴマークも付いている。平和の象徴である「鳩」で「地球」を表現したこのロゴには、一人ひとりが鳩となって世界中に平和を広げていこうという日本人の思いが込められている。
 「まろやかでおいしい」と注目を集め、現地の首都圏でも大人気。同村の人たちにとって安定した収入源となりつつあり、毎シーズン約四百ドルの売上が見込まれるという。
 情報が伝えられた十月、冬の寒さを避けるため、蜜蜂の巣箱は南部に運ばれ、野生のチューリップが咲き乱れる翌年の四月、再びこの村に帰ってくる、と伝えられた。
 十年後の今日も、蜜蜂たちが同村で飛び交っていることだろう。

 

(完)

 

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