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ミツバチと共に90年――

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蜂蜜エッセイ応募作品

ミツバチとのあの日

季田朔也

 

 わたしの家にはサンルームがある。ポカポカとしてあたたかい。 ある日、そこに、ミツバチが落ちていた。落ちていた、というのがとてもしっくりくる表現の姿だった。 というか最初、わからなかった、布団の埃が固まって大きくなったものかな、とか思っていた。どうしてこんなところに、と思いつつ、手の中に包み込んで外へ出て、良さそうな場所へ置いてみた。緑の中。
 それからどれくらい経っただろうか、、また居たのだ。しかも、またしても、動かないかたちで。なぜだろう、と思いながらも、そのミツバチをまた手にのせようと思った途端、驚いた、まだ生きていたのだ。一瞬パニックになりつつも、わたしはどうにかして”助けたい”という思いに駆られ、ちょうど家にあったらばらの切り花をその蜂に近づけてみた。すると、蜂は花の存在に気づいたようで、花びらに歩み寄っていった。そして、花びらの中へ消えた。えっ。。となったが、もしや、中の方がお好き?あったかいの?などと勝手な想像をしつつ、まだ動けたことが何より嬉しくて、そして、ホッとした。 外出する予定があったので、もし元気になったら外にまた羽ばたけるように、ばらと蜂をベランダへ移動させる。幸い、ベランダもあたたかな陽射しが降り注いでおり、ここなら大丈夫だろうという場所に静かに配置して、じゃあ行ってくるね、とだけ、声をかけて出かけた。
 帰宅すると、まず一番にベランダへ向かう。蜂の姿はなかった。飛んで行ったんだろうな、という安心感と、どこか、まだ居てくれたらな、という期待みたいな気持ちがないまぜになる午後だった。役目を終えたばらの花は、今も、我が家でドライフラワーとしてわたしの目を楽しませてくれている。そして、いつかの蜂やその仲間がきてくれたらな、という思いを込めて、わたしはたまにそのばらを窓際に飾っていたりしている。

 

(完)

 

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