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ミツバチと共に90年――

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蜂蜜エッセイ応募作品

てのひらの思い出

大坪覚

 

 蜂蜜の味を最初に知ったとき、この甘さをなにと比べたらいいだろう、と考えた。水あめが真っ先に浮かんだが、蜂蜜は口の中でねばついた感じがなく、甘いけれどさっぱりとしている。寒天やところてんも連想したが、それも明らかに違っている。甘いけれど、砂糖の甘さとは違う。どうやら焼芋の甘さといちばん近いようだと思った。品種改良が進み、糖蜜が充実している現代の焼芋を食べると、不意に子どもの頃にはじめて蜂蜜を口にしたことを思い出す。あの頃、蜂蜜は高価なものだった。今はまた違った意味で手に入りにくいものになったが、あの当時、ミツバチは普通に野外で目にしていた。どうしてこんなに姿を見なくなってしまったのだろう。いろいろと推測される理由をネットで読んだが、子どもの頃、花壇で当たり前のように遊ぶことができたミツバチは、子どもの数が減ってしまったことに呆れてしまって、どこかで隠れているような気がする。花のそばで遊んでいると、てのひらの中にそっとミツバチが入ってきたことが何度もあった。ミツバチは自然を破壊して平然としている大人という生き物が嫌いなのだろう。

 

(完)

 

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