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蜂蜜エッセイ応募作品

マヌカとカヌカ

ドラみ

 

 「残念、これはKanuka(カヌーカァ)だわ。」
 夕方、川沿いに散歩に連れて行ってもらった。歩道の片側は崖のようになっていて、隙間なく重なり合った様 々な植物が、こちら側にせり出している。ホストマザーのジュディは立ち止まって、そのうち1つの枝を丹念に調べていた。
 私の方は、突然の新出語「カヌーカァ」を理解するのに必死だ。ka-nu-ker? can-knock-out? どれもしっくりこない。
 「カヌーカァって、なんですか。」
 「Kanukaは、Manuka(マヌーカァ)によく似た植物の名前。本当は、Manukaをあなたに見せたかったのだけど…。」
 「マヌーカァ」はわかる。何度も聞いた言葉だ。ここニュージーランドの名産品、マヌカハニーのマヌカ。
 「Kanukaからもハチミツは採れるけれどね。葉が、Manukaに比べて…」
 そっくりだという2つの植物の見分け方を説明してくれたが、残念ながら、私の英語力にはちょっと難しかった。
 それより、マヌカとカヌカ。一対の、なんだか愉快な言葉の響きが、ずっと頭に残っている。
 
 日本に帰ってきてから1年ほど経つ。
 お土産に買ってきたハチミツは、ガラス瓶にまだ半分も残っている。私も私の母も、大切にするあまり、ほんのちょっとずつしか使っていないのだ。それはマヌカハニーとカヌカハニーなど色 々な種類のハチミツをブレンドしたもので、パンに塗ってもヨーグルトに入れてもおいしいけれど、なんだかんだそのまますくって食べるのが最高にいい。
 ところで、ちょっとクセのある、スーッとしたのがマヌカハニーの味だと聞いたことがある。だとすれば、カヌカハニーはどこにいるのだろう。
 私の舌がハチミツの中を探る。
 マヌカハニーに隠れてひっそりと香っている、やさしい花の味がある。ひょっとして、君がカヌカ?
 もう一口、もう一口と止められない。

 

(完)

 

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