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ミツバチと共に90年――

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蜂蜜エッセイ応募作品

冷蔵庫には蜂蜜がある

瀧元 優里

 

 小学生になって、少し経ったくらいだったと思う。親に黙って、蜂蜜を舐めた。それがあまりにも美味しくて、開封したばっかりの蜂蜜チューブを半分になるまで吸い続けていた事がある。
 小さなチューブだったとはいえ、蜂蜜を100gは飲んだ私に母は驚いて叱ったけれど、私が「ゆかちゃん(妹)が食べたら危ないと思って」と言ったのでそれ以上は怒らなかった。父がトーストにかけている蜂蜜のことを、母は私に、子供には毒だから食べちゃダメだと教えていたからだ。
 アレルギー持ちでもなんでもない私にとって蜂蜜は毒ではなかったけれど、甘い物が大好きな私に、これ以上甘い物の味を教えたくなかったのだろうと思う。あの頃の私はほっぺはプクプク、体もポチャポチャだったから。
 それから二十年経った今、私は0歳児の娘をかかえる母親になった。美味しそうにミルクを飲む孫を見て、祖母になった母が言う。
 「今はまだ大丈夫だと思うけど、子供は甘い物に目がないからね。ちょっと目を離した隙に、チョコやら飴やら口にするから気をつけてね」
 そう言ってそういえばあなたが小学生の時……と蜂蜜チューブゴクゴク事件の思い出話をする。
 「だぁいじょうぶだよ、お母さん」
 私は冷蔵庫を開けて、誇らしげに指を差す。
 「一番上に閉まってあるからね」

 

(完)

 

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