増田木綿子
大人になってホットケーキを食べる機会は少なくなっていた。そんな私をはちみつはホットケーキと引き合わせてくれた。この冬2度も風邪をひいた私はこじらせてしまい喉をやられてしまっていた。水でさえ痛みを感じてしまう。咳止めさえあまり効果が無い。どうしようかと思案していたところ、はちみつを湯で溶かして飲むといいという情報を手に入れた。確かに何度か聞いていたけれど、湯で溶かしたはちみつに抵抗があって乗気ではなかった。いよいよ悪化してこうなったら一か八かと飲んでみたら意外にもおいしかった。自然の甘みにのどの痛みが和らいだ。素朴でなんだか子供の頃を思い出した。すると息子が「ホットケーキにはちみつってかけるよな?」と言った。子供の頃ホットケーキはおやつの最高峰だった。メープルシロップなどまだ馴染みがなく、ましてやあまり見かけた事がなかったため、ホットケーキにははちみつというのは当たり前になっていた。はちみつの軽やかな甘みは少し焦げたホットケーキの香ばしさを引き立ててくれた。久しぶりに作ってみたら大好評。「この、甘すぎない控えめなスイーツ感がはちみつっていい仕事するなあ」と、息子は珍しくパクパク食べた。これからもはちみつと相性がいい物を探し、ホットな感動を味わいたいと思った。
(完)
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