みん
ハチミツが好き。だけどうちには無い。だって高い。戴いた時だけの贅沢…。想像するだけで幸せでしょう?朝のヨーグルトに少し垂らして、白いシェルの特別なデザートスプーンを出して、舐めるように楽しむ。幸せな黄色が朝日のように眩しく、心の隅まで満たしてくれるその瞬間。きっと目を閉じて、黄色に浸って、ソファーに沈み込んで。間違いなく幸せな一日の始まりを、胸の底まで深く吸い込む。ヨーグルトの下のリンゴもバナナも、いつもと違う幸福感にハッとして、とろける甘さと爽やかな香りを、やわらかくレースを揺らす春の風に乗せて。
もし、もう少し贅沢が赦されるなら、トーストにも。バターと一緒に、カリカリのトーストを撫でるスプーンの音が響く。もう、彼も寝ていられないはず。サクサクとトロトロ、芳ばしさと華やかさの至極の朝食。これ以上の幸せがあるかしら。思いっきり頬張れば、もう笑わずにはいられないでしょう?もう、明日の朝が待ちきれないでしょう?
そんな誰よりも幸せな一日を願うから、蜂蜜はいつも贈り物。御祝いでも御礼でも御挨拶でも、久 々の再会でも、お菓子作りが好きなあの人のお誕生日にも。この上なくとろやかな、幸せな今日を迎えられますように。黄色い朝陽のような笑顔が、毎日溢れますように。
(完)
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