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蜂蜜エッセイ応募作品

世界一おいしい、はちみつの食べ方

ゆり

 

 「ママ、絵本読んでー」
 そういいながら3歳の息子は本棚に手を伸ばした。
 彼の指の先のある本の色は、緑色だった。
 またそれか……。
 もはや、本の大きさと色でタイトルがわかってしまう。
 おしりたんていの「いせきからのSOS」。
 おしりたんていファンである彼の、一番のお気に入りだ。
 にこにこしながら本をもって走ってきた息子と私はリビングのソファに並んで腰掛けた。
 さぁ冒険のはじまりだ。
 読み始める前に私はちらりと時計を見た。
 時間は午後2時過ぎ。
 読み終わったらおやつにしよう。
  ***
 主人公と一緒になって謎を追い、危機を越えると、ようやく遺跡にたどり着いた。
 光り輝く聖杯と共に発見されたのは、キラキラと輝くはちみつ。
 そのページにはとろーりきらめきながら流れる黄金のはちみつと、そのはちみつをなめて、感激する相棒ブラウンが描かれている。
 ブラウンの目は宝石よりもキラキラしている。
 ふと横を見ると、絵本を見る息子の目もまたキラキラしている。
 絵本で見るはちみつの、なんと甘美に甘くおいしそうなことだろう!
 物語は、主人公のお母さんが作ってくれた、はちみつがたっぷりはいったスイートポテトとはちみつ入りの紅茶を味わい、大団円となった。
 めでたしめでたし。
 「さ、もうすぐ3時だしおやつにしようか」
 「うん!」
 私はキッチンに立ちおやつの準備をする。
 息子はえっちらおっちら台を持ってきて隣に並ぶ。
 フォークの背を使って焼き芋をつぶし、はちみつと豆乳をいれてまぜ、形を整えたて、少し卵を塗ってオーブンに入れる。
 お菓子の焼き上がりを待つ時間もまた、幸せな時間だ。
 ふと思いついて、はちみつを量り取るのに使ったスプーンをそっと息子に手渡す。
 「黄金のはちみつ」
 そうつぶやきスプーンについたはちみつをぺろりとなめる息子は、天国に行ったみたいに幸せそうだ。
  ***
 行列のできるはちみつやさん、クマくんのはちみつブンブンケーキ、そしてプーさんとはちみつ。
 はちみつがでてくる絵本は枚挙にいとまがない。
 休日の午後に、はちみつの登場する絵本を読んでから、はちみつ入のスイーツを味わう。
 はちみつのついたスプーンは、おやつの準備を手伝ってくれた子のご褒美に。
 これが、世界一美味しいはちみつの食べ方だと、私は思う。

 

(完)

 

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