楠木ナツキ
カーテンを開けると、朝日が気持ちよく差し込んでくる。雲の少ない青空が広がっている。今日は少し暖かいかな。そんなことを考えながら、ポットに水を入れ、電源を入れる。
顔を洗い、歯を磨く。制服に着替えてから、食パンをトースターにセット。焼きあがるまでの時間に、フライパンを取り出し、油を敷く。火を付け、温まったところにベーコンを二枚入れると、ジューっと音を立て、燻製のいい香りがしてきた。そしてそこに卵を入れる。つややかな黄身を取り巻くように存在する白身。ふつふつとしてきたら水を投入して蓋をする。あとは待つだけ。
蓋をあけると、半熟の卵とベーコンのいい香りがする。塩コショウを振り、皿に移す。ポットのお湯も沸いているみたい。ココアの粉を入れたカップにお湯を注ぐ。湯気が立ち上る。
チン――
食パンの焼けたいい匂いが漂う。パンを皿に移して、私は冷蔵庫からはちみつとバターを取り出す。パンにたっぷりとはちみつを塗り、バターをひとかけら。甘い香りが心地いい。
それらを机に並べて、座る。手を合わせて、
「いただきます――」
まずははちみつたっぷりの食パンにかぶりつく。はちみつの甘さが口いっぱいに広がり、とともにくるバターの塩気がたまらない。朝のこの瞬間が大好き。毎日食べているのに全く飽きない。ココアを一口。冬の朝のココアは絶品。そして目玉焼き。半熟に焼かれた卵を割ると、とろりと黄身が流れ出す。ベーコンに絡めて食べる。何と贅沢な味。卵の濃厚な味にベーコンの肉感が合う。
朝食が一日で一番の幸せ。明日は、はちみつと何を食べようかな。
そんなはちみつに溢れる毎日を、私は送ってみたい。
(完)
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