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ミツバチと共に90年――

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蜂蜜エッセイ応募作品

救急箱の中のハチミツ

武井佳代

 

 暗闇の中の光。気づけば2時間経っていたという、不健康極まりない就寝前のスマホ時間にみているもの。
 それが養蜂についてのいろいろな動画やホームページの記事。ワンピースやバックを何時間も選ぶとも、買うとも、参考にしているのでもなく、ただ眺めていることに近い。
 もう何年も前にテレビのトレンド情報のコーナーか何かで、ニューヨークの街中で養蜂を行っているという話題を紹介していたときに衝撃を受けて以来、いつも気になっている。手を止め、テレビを食い入るように見つめ、流れ去る情報ではなく、憧れの対象となった瞬間のことを今でも覚えている。
 ニューヨークのビルの屋上で蜂の巣を日の光に透かし、笑顔で見ているという象徴的なシーン。「街中で養蜂がやりたいからやる」という選択肢になにより驚いた。「固定観念なんて意味ないよ、やってみればいいよ」と言われているような気がした。都会には花がないと思い込んでいるけれど、花がなければ植えればいい。生き方なんて大袈裟だけれど、生きる強さを垣間見て勇気づけられた。
 時 々、大阪の下町でもミツバチらしき虫を見ることがある。お尻がしましまで、ふわふわしていて小さいからミツバチだと思っている。この辺りにも花があるのかなと、その花の存在が見えなくてもミツバチが飛んでいるだけで嬉しくなる。
 ハチミツはいつも家にあるけれど、毎日食べるわけではない。おもむろにホットケーキを家で焼きたくなった時。疲れ切った気分の時、ハチミツたっぷりのカフェオレは心を溶かす。ジャムがきれてパンに塗るものがなかった時の救世主。なんだかハチミツは救急箱の薬みたい。

 

(完)

 

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