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蜂蜜エッセイ応募作品

ミート、ニード、ミード!

町田りほ

 

 鼻を抜けて全身を駆ける香り。舌の上で踊り続ける甘さ。柔らかであり力強くもある色味。
 私たちの生活に喜びを与えるはちみつ。蜂蜜と言うと何となく砂糖よりも健康的で体に良い気がする。蜂蜜が愛されているのはそれだけではない。きっとヒトは私たちが思うよりずっと長く蜂蜜を愛してきたのだろうと思う。
 いつだったか定かではないが、私は蜂蜜酒〈ミード〉に出会った。このミード、世界最古の酒であると言われている。ワインよりも、ビールよりも昔に生まれたのだとか。
 私が蜂蜜に愛と歴史を感じるのは単に古いからではない。ミードには人を繋ぐ秘密がある。
 このミード、中世のヨーロッパでは新婚夫婦によく飲まれていた。滋養強壮によく、子宝にも恵まれるのだとか。流石、ヨーロッパ。お洒落である。
 我 々日本人の考える滋養強壮と言うと、どうしてもマムシやうなぎやスッポンをイメージしがちではないだろうか。少なくとも私はそうなのだ。それが、甘くとろけるような蜂蜜で成立するのだから、字の如く甘美なものである。
 更に新婚旅行を意味するハネムーンの語源がhoney moon(蜜月のひと月)と言うのだから驚きである。何とロマンチックなことだろう。
 人は出会い、恋に落ち、子孫を残す。大袈裟かもしれないが、蜂蜜は我 々人間の歴史を築く要素の一つなのだ。
 そこで私は考えた。もしかしたら日本人は蜂蜜不足ではないだろうか。
 やれ晩婚だ、少子化だと新聞もニュースのコメンテーターも私の身内も嘆いている。
 今度お酒を楽しむときはミードを飲んでみてはいかがだろうか。ロマンチックな出会いがあるかもしれない。ストレスだらけの生活にも甘いひと時は必要だ。
 余計なお世話は百も承知。それすらツマミに先ずは、乾杯といこう。

 

(完)

 

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