本田彩乃
私には、蜂蜜との思い出がたくさんある。例えば、小さい頃から漢方を飲むときは飲みやすくするために蜂蜜を一緒に溶かしたり、喉が痛くなったら母が作ってくれる蜂蜜大根を飲んだり、高校受験の時には体調を整えるためにプロポリスを飲んでいた。おかげで毎年かかるインフルエンザも、鼻炎もかからずに過ごすことが出来た。
そんな私だが、一番思い出に残っている蜂蜜とのエピソードは、小学生の時に母と一緒に蜜蝋から作ったハンドクリームをつけた時のことだった。母と一緒に作ったのが嬉しかった私は、作った蜜蝋ハンドクリームを手に塗って外に出かけた。するとその日、妙にずっと近くに小さな蜂が飛んでいて、手に止まろうとしている。手で何度払ってもずっと近くにいるのだ。家に帰り、私が不思議に思って考えてみると、もしかしたらハンドクリームに入っている蜜蝋の匂いにおびき寄せられたんじゃないかと思った。気になって調べてみると、どうも蜂は匂いに敏感で強い匂いに寄ってくるらしい。きっとハンドクリームの匂いに寄ってきたのだ。蜂が寄ってきた原因が分かった時私は思った。「私はお花じゃないんだけどなぁ…。」
それからというも、私は匂いがあるハンドクリームをつけて外へ出かけると、あの時寄ってきた小さい蜂をついつい探してしまう。
(完)
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