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蜂蜜エッセイ応募作品

いちご

尾形春香

 

 じいちゃんとばあちゃんへ
 お元気ですか。私は元気です。
 今年の冬はいつもより暖かく、まるで春のようですがちょうちょやみつばちはあまり見つかりません。
 おいしいイチゴはできましたか。
 私は毎年、この季節になるとじいちゃんとばあちゃん家で、みつばちがあたたかい春のいちごハウスの中や外でぶんぶんと跳んでいるとき、わくわくしながら、そしてちょっとびびりながら、いちごハウスの入り口の網のついた棒をあげて、大きくてごつごつしたおひさまの匂いと味のするいちごをたくさん、手伝いをする母の周りで食べていたことを思い出します。
 じいちゃんとばあちゃん家に、今すぐに行きたくて行きたくてたまりません。
 
 なんて手紙を書きたいけど…。
 
 毎年じいちゃんとばあちゃん家に行くたびに、いちごハウスの横でなの花が小さく、そして少なく感じるのがなんとなくうれしいけど、なんでか分かっているにもかかわらず、昔の非日常のなんだか自分がすごい冒険をしているようなわくわく感を体験したくて、自分が幻をみているんじゃないかと思ってしまうけれど、でもすぐ幻じゃないと気づいて、もっと冒険をしとくんだったと少しくやしく、でもなの花の周りを跳ぶみつばちが、自分の目線の真横や下にいることに気づいて、初めての体験に慎重にみつばちを避けながら、なの花畑を跳び跳ねて走り回って、もっと違う冒険ができることにわくわくしたのはいつだったっけ。
 
 なの花畑のすぐ目の前で、ばあちゃんにペンペングサをつかって音を鳴らす方法を教えてもらった思い出たちが、みつばちがぶんぶんなるたびに、心の中に跳んできます。

 

(完)

 

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