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蜂蜜エッセイ応募作品

朝の食卓

松井まち子

 

 三十代最後の年に結婚した私。
 すっかり大人なふたりだが、いわゆる新婚さんの生活を送っている。
 おはようと寝ぼけまなこで声を掛け合い、一日が始まる。
 夫がシャワーを浴びているうちに、私はささっと朝食の準備に取り掛かる。
 オーブンレンジの中では、さっき夫が入れてくれた塩パンがだんだん香ばしい匂いを立てている。
 うん、そろそろ焼き上がりそう。
 ふたりが向かい合う朝の食卓には、カリカリにトーストされた塩パンと薄切りにした林檎。
 そしてかならず、蜂蜜のボトルが並んでいる。
 朝陽を透かして、キラキラと黄金色にきらめいている。
 「できるだけ均等に」を心掛けながら、手首を回して塩パンにとろーっと蜂蜜を回しかける。
 それから、その上に林檎のスライスを少し多めに載せていく。
 大きな口でかぶりついたら、あふれる林檎の酸味と、滲み出す蜂蜜の甘さ。
 夫と目を合わせて、思わず笑顔になる。
 誰かと同じものを食べ、それを同じ深度で美味しいと思えること。
 それって本当に幸せなんだなと、朝が来るたびに実感している。
 
 幼い頃、母が作ってくれたホットケーキ。
 高校生の頃、友達と分け合ったハニーキャンディ。
 そうして、今の夫婦の朝の食卓。
 
 そう、蜂蜜の黄金色は、私をいつでも幸せ色にしてくれる。

 

(完)

 

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