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蜂蜜エッセイ応募作品

甘味の代表格だった蜂蜜

渡辺 碧水

 

 当エッセイの二〇二〇年二月初旬掲載分を読み進めて、ナカムラアキヨさん寄稿の「はちみつとレモン」に出合った。
 その中に「蜂蜜というと思い出すのが、主の教えや証は蜜より蜂蜜より甘いという内容の賛美歌である」という一文があった。
 正確な出典を知りたいと思い、手元にある賛美歌集三冊を見てみた。しかし、これだろうと確信のもてる賛美歌を特定することはできなかった。探しやすいように、各種の目次や索引が備えられているにもかかわらず、該当の歌を探し得なかった。
 賛美歌はすべて(?)聖書を基に作詞されたと思われ、それぞれの歌詞の最後に、関連する聖書箇所(引照聖句)が示されている。だから逆に、聖書の文言を手掛かりに賛美歌を探すことも可能である。
 聖書は以前から何度も改訂され、二〇一八年十二月発行の『聖書協会共同訳聖書』が最新だが、改訂のたびに表現や語句が変化しているし、対象の賛美歌集は以前の聖書記述に基づいていると思ったので、『聖書語句大辞典』を基に少し古い一九八一年発行の『新改訳聖書』に当たってみた。
 予想が的中し、それと判断される聖句を見つけた。旧約聖書の「詩編」十九章十節「蜜よりも、蜜蜂の巣のしたたりよりも甘い」である。
 これには主語がないが、詩文の流れから、同章七~九節の「主のみおしえ、あかし、戒め、仰せ、さばき、主への恐れ」であることがわかる。
 「詩編」十九章七~十節の聖句で作られた歌は教文館発行『新聖歌』三十九「御声聞くとて」に収録されていた。
 また、ナカムラさんは「聖書の書かれた時代の人も蜂蜜を重宝したのだろうか」とも述べている。
 砂糖がまだ作られなかった当時、蜂蜜が非常に貴重な甘味料であった。しばしば聖書の中に出てくるし、旧約聖書の「箴言」二十四章十三節に「わが子よ。蜜を食べよ。それはおいしい。蜂の巣の蜜はあなたの口に甘い」とある。
 蜂蜜が美味の象徴(最高に甘いもの)であったことは、神の御言葉などが語られるとき、比喩として挙げられていることでわかる。味覚にたとえて一言「甘い」と表現し、素晴らしさを受け入れさせる効果に使われている。
 蜂蜜が栄養的に優れていることを述べた後で知恵に言及し、神の知恵は蜂蜜のように甘く役に立つものであると、聖書は説いている。

 

(完)

 

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