渡辺 碧水
【蜜蜂に赤色はどう見える?(一)から続く】
養蜂場の専門家の見解を見てみよう。例えば、鈴木養蜂場の「はちみつ家のブログ」(二〇一二年六月二十七日)によると、
「ミツバチが認識できる色は六色だと言われています。黄色、青緑、青、紫、紫外線、そして黄色と紫外線の混合色の六つで、中でも黄色と紫外線の混合色というのはビーズパープル(ハチの紫)と呼ばれる特殊な色なんだそうです。
そして赤が識別できないので、赤い花は黒に見えるのだそうですヨ。人間の感覚でいえば、赤が黒で、あとは黄色と青色だけの世界といったところでしょうかネ? なんか想像しただけで、無機質で幻想的な世界が思い浮かんできます」
とあった。
「アーやっぱり!」。図星を突いたとまでは言えないにしても、赤が別の色(黒)に見えているらしい推理は当たっていた。
念のため、別の見解にも当たってみた。「セルズ環境教育デザイン研究所」によるもの(二〇一八年六月二十八日)を要約してみる。
動物は光の波長の違いを色の違いとして認識する。この波長の違いによって、順に「赤外線、赤、橙、黄、緑、青、藍、紫、紫外線」と色分けされる。(他の文献では「藍」は挙げられない場合が多い)
この認識の可能 ・不可能は、あくまでも受容する(見る)側の問題である。
人間は、この中の「赤~紫」は認識できるが、「赤外線」と「紫外線」は認識できない。
蜜蜂は、赤色を赤色として見ることができないが、紫外線を見ることができるとされる。人間の認識とはずれていて、「橙~紫外線」を見ていることになる。
さらに蜜蜂は、人間ほど正確に認識できないとされ、橙と黄と緑を「黄っぽく」、青と藍と紫を「青っぽく」認識すると言われる。そしてそれぞれは、一様ではなく、混色で微妙な違いをもって見えるらしい。
これには、白や黒の見え方の説明がないないが、蜜蜂の視覚例では、赤の部分は暗い灰色で示されている。
他の見解には、「赤」は「黄」に見えて、蜜蜂の「黄、緑、青」の三色だという見解もある。
どうやら、いろいろな説があるようだが、問題の「赤」については、多くの見解は「黒く見える」が大半のようだ。
【蜜蜂に赤色はどう見える?(三)へ続く】
(完)
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